会員の山行 062号

【2005年06月18-19日/北岳/木内茂雄】

メンバ− K氏同行
タイム  
(6/18)広河原吊り橋10:23〜10:42白根御池小屋への分岐〜12:26残雪の上〜14:45夏道〜14:50休場15:06〜15:42八本歯コル15:55〜16:21北岳山頂への分岐〜17:04北岳山頂と山荘への分岐〜17:22北岳山荘
(6/19)北岳山荘5:20〜5:44八本歯コルへの分岐〜6:30北岳山頂6:45〜7:02二俣への分岐〜7:09北岳肩の小屋〜7:30稜線から右に草すべりに下る〜8:20白根御池小屋見える〜8:41白根御池小屋8:51〜10:28広河原吊り橋
記 録
三年前よりキタダケソウを撮りに行きたいと考えていたが、漸く実現した。四〇年来の山の友K氏と戸台で合流した。(伊那ICで降りたら直ぐにコンビニで購入しないと後は無い)北沢峠で55分もバスを待たされるのが惜しい。その間、辺りを見回すとヤグルマソウ、トリカブト、サンカヨウ等の葉を見つける。目の前の長衛荘に行って見るとツバメオモトが咲いていた。
四〇年振りに降り立った広河原に昔の記憶が蘇らない。長い吊り橋を渡り、右手に広河原山荘を見て登り始める。やがて、沢の左岸を歩くようになり一時間も行くと左に苔むした滝が見える。この間、真っ赤なクリンソウ、カラマツソウ、イチリンソウ、フリハタザオ、グンナイフウロ、等の花とバイケイソウらしい葉を見つける。更にその先でツマトリソウ、マイヅルソウ、ズダヤクシュ、ミヤマダイコンソウ、ハクサンイチゲ、ミヤマガラシ、そして、花に興味を持つようになって始めて見るミヤマハナショウブが印象的であった。
1時間も歩くと右側がガレ場になり道は右岸に移るがやがて左岸に戻る。途中で、エンレイソウ、カタバミ、蔓性のキジムシロが咲いている。歩き出して2時間程で大樺沢の雪の上になり、左俣を登る。雪渓の途中では雪崩で埋まった人の捜索のため10数人で雪掘りをしている。天気は時折雲がかかるが、八本歯辺りが良く見える。雪の上を2時間以上歩き、漸く右に夏道が出て来て、きつい尾根の階段を数分上るとバットレスが見える休場となる。完全に晴れでないため、岩肌全部は見えない。
この周辺でキバナシャクナゲ、イワカガミ、ツガザクラの花、そして、ゴゼンタチバナ、ハクサンシャクナゲの葉を見つける。道は岩混じりで、時には木製の階段等を登り、右側はバットレスからくる岩壁である。
左の八本歯が目の高さに近づく頃、コルに着く。左のコルに少し降り右に巻き込むとハクサンイチゲ、そしてクロユリらしい蕾があった。
コルから岩の堆積場を登って行くと右に北岳山頂、左に北岳山荘の分岐に着く。左に向かうと山肌を巻くようになり、疲れた足が楽になると同時に斜面一杯にキタダケソウが目に飛び込んでくる。時間を気にせずシャッタ−を押しまくる。最初はハクサンイチゲが少し混じり勘違いしたが、目が慣れて区別はハッキリする。オヤマノエンドウも紫鮮やかに咲いている。ここのは少し紫が濃いようだ。その他、チョウノスケソウ、イワツメクサ、イワベンケイ、ミヤマキンバイ等が咲いている。キタダケソウ危機説を聞いていたが保護がしっかりしているのか見事なお花畑だ。
この花畑に大満足してノンビリ行くと又右、北岳山頂、左、北岳山荘の分岐に出る。霧も出て来て、気温も低く寒いので、直ぐに山荘へと下る。霧なので山荘がいやに遠く感じたが後でタイムを見るとさほどでなかった。
(6/19)
昨晩は風の音強く、天候が心配されたが、明るくなると同時に起きて見ると、間ノ岳、北岳、仙丈岳が良く見える薄晴れだ。小屋の直ぐ近くに有ったキバナシャクナゲの見事な株をカメラに納め、北岳をバックに記念撮影をする。目指す北岳は流石に威風堂々としていて、これは昔を思い出す。
たどる道々キバナシャクナゲ、オヤマノエンドウ、が目立ち、ミヤマキンバイも朝日よ早く出ろと花が開きかけている。
登りが急になる頃にはタカネツメクサ、ハハコヨモギ?と、更に山頂に近づくに従いイワベンケイは頭を出す程度になる。その他見慣れない葉があり、時期をずらせて来ればまた楽しめるだろう。
山頂には残雪有り日本第2位の高さを誇示している。天候は良く、後ろは農鳥岳、間ノ岳、その向こうには塩見岳、そして振り向けば左に仙丈岳、正面甲斐駒ケ岳、右には鳳凰三山と南アルプスの主峰を眺めることが出来る。澄んでいれば富士山も見えるとおもうが。
真下には肩の小屋が見える。景色に満足してから肩ノ小屋に降りて行くと、まずK氏が某テレビ会社のインタビュウを受けた、そして私にもきたが後で映ることやら。
この後、草すべりを下ったが雪解け間もなくなのでショウジョウバカマ、イワカガミ、シナノキンバイ、イチリンソウ、ミヤマキンポウゲ、サンカヨヨウ、フリハタザオ、ハクサンチドリ、キスミレ等の花とトリアシショウマの葉などを見る。斜面は全体に岳樺の林だが、まだ新芽を出したばかりで見通しが良く、やがてシラビソの木も混在するようになる。
白根御池小屋が見えるころになると右の斜面にはバイケイソウの葉、サンカヨウの花が目立つ、この後には色々な花が咲くのだろう。白根御池小屋は建て替え中で、盛んにヘリコプタ−で鉄骨を運んでいる。周辺はナナカマドの花が咲き出したばかり。小屋を過ぎてからはシラビソ?の林の中を歩くようになり花も少ないが、それでもマイヅルソウ、カタバミ、山桜、スイカズラの花、ゴヨウツツジ、ツクバネソウ、チゴユリ、ゴゼンタチバナ、ヤグルマソウの葉を見つけた。
広河原に着く前に山頂方面を見上げると雲が出ていた。

北沢峠 北沢峠の長衛荘
北沢峠の案内図 広河原の吊橋
吊橋より大樺沢を見る クリンソウ
グンナイフウロ カラマツソウ
フリハタザオ イチリンソウ
バイケイソウ ハクサンイチゲ
マルバシモツケ ミヤマガラシ
ツマトリソウ サンカヨウ
ミヤマハナショウブ 大樺沢の傾斜
雪崩遭難者の捜索作業 大樺沢と八本歯
八本歯コルへの登り バットレスの一部
コルより八本歯 クロユリ八本歯コルにて
ツガザクラ 標識
オヤマノエンドウ キタダケソウ
キタダケソウと左ハクサンイチゲ キタダケソウ
キタダケソウの群生地 キタダケソウ
チョウノスケソウ シロウマオウギ
アマナ? キバナシャクナゲ
キバナシャクナゲの株良い キバナシャクナゲの株
北岳を背に 北岳山荘付近より仙丈岳
北岳山荘と間ノ岳を振り返る オオカミ岩と間ノ岳
イワツメクサ 標識
間ノ岳を振り返る 鳳凰三山
北岳山頂より間ノ岳と農鳥岳を望む 北岳山頂にて仙丈岳を望む
北岳山頂の残雪 北岳山頂より肩ノ小屋を見下ろす
新標識と40数年前の標識 仙丈岳を見るK氏
北岳肩ノ小屋 白根御池
シナノキンバイ 白根御池小屋建て替え中
コマノキスミレ? ハクサンチドリ
ヤマザクラ サンカヨウ
不明 御池の標識
五葉ツツジ カタバミ
ギンリョウソウ マイヅルソウ
広河原の吊橋 広河原山荘