【2006年09月30-01日/北ア:笠ヶ岳/木内茂雄調査】
【タイム】
(9/30)新穂高温泉バス停6:15〜7:08笠新道登山口7:15〜8:15標高1700m地点〜8:30頃森林限界〜10:40杓子平(標高2450m)10:57〜12:24稜線(抜戸岳へ数分)〜12:29見通し良い箇所12:55〜13:57笠ケ岳山荘14:18〜14:30笠ヶ岳山頂〜笠ヶ岳山荘
(10/1)笠ヶ岳山荘5:49〜6:03笠ヶ岳山頂〜7:51最初の水場〜8:06槍見温泉まで3,9K〜8:172番目水場8:35〜8:56槍見温泉まで2,5K〜9:04クリヤ沢右岸に渡る〜左岸に渡る〜9:32右岸に渡る〜9:59槍見温泉
【記 録】
(9/30)バス停少し手前で左に深山温泉と標識の有る処に無料駐車場が有る事を知らずに、新穂高ロープウエイバス停まで行ってしまい引き返した。身支度をしてからバス停まで数分歩き、案内板で笠新道への道を確認してから舗装された比較的緩やかな車道を歩く、関係者以外の車は入れない様にゲートが有るので歩くしかない。この道は穴毛谷の砂防ダム工事用らしい。左側を見上げると何段にも砂防ダムが有り、更に工事中の様だ。その退屈な道を1時間ほど歩き笠新道登山口に着く。此処には水が出ている。道は更に小池新道が直進しているが、左の笠新道に入る。直ぐに急斜面をジグザグに登る様になる。
1時間も登ると標高1700m地点に着く。ブナ林の中にアオモリトドマツなのか、モミなのか或いはアスナロなのかと判らない木を見ながら更に15分ほど登って行くと、岳樺が目立ち始め、森林限界らしくなってくる。おのずと槍、穂高、乗鞍が見える様になる。3週間前には反対側の常念岳よりこの山を見ていた。花は終わりかけのオヤマリンドウ、アザミ、シモツケソウと赤い実を付けたゴゼンタチバナ、紅葉しかけたハクサンフウロの葉、そして、枯れているコバイケイソウ等を見かけるので、恐らく杓子平までの斜面はその他の花も有るのだろう。天気は良く、気温が高くなり、暑さに伴い疲労を感じてきた。そしてなんとか杓子平に乗越すと目の前にあの笠ヶ岳が目に飛び込んで来る。標高2450mと標識に記されている。そして、右上方向にはカール状の斜面と抜戸岳のピークが見える。一寸見には3,40分も有れば上れると思ったがとんでもなかった。年老いたせいか、或いは今回は寒くなるかも知れないと予想して、冬用のズボンと冬用のシャツで来たため暑さに負けたのか、足が上がらなくなった。見えているのに、遅々として高度が稼げない。チングルマ、ミヤマダイコンソウの紅葉、少しのミヤマリンドウ、オヤマリンドウ、そしてハクサンイチゲの名残があるなあと、気を逸らす。途中、小便をしながら、辺りを見回すと熟した木イチゴが目に入った。早速採って口に頬張る。場所は違うが39年前に登った時の事を思い出す。その時は裏銀座の烏帽子岳を午前1時に出て、笠ヶ岳から下りる時にバテテ道端の木イチゴの畑に助けられたことが脳裏をよぎる。その先でもう一度木イチゴに助けられヤットの思いで稜線に出た。右に数分で抜戸岳だが、気力無く、左の笠ヶ岳方面に下る。五分程の見晴らしの良い処で、もう良いだろうと、たった1本のビールで喉を潤す。そして、時々霧がかかる笠ヶ岳を向こうに見ながら稜線歩きをする。稜線でも点々とチングルマが紅葉している。
そして、遠目に最後の笠ヶ岳山荘までの登りはキツイだろうと覚悟していたがこれはアッサリと着いた。そして空身で笠ヶ岳山頂まで登ったがヨタヨタで12分もかかった。翌朝は荷物を担いで14分で登った。小屋の前から見る山頂は、遠くから見る優しい笠の形とは違い尖っている。
(10/1)夜中に空を見上げると満天の星であった。夜明けは見事な朝焼けでカメラ2台がフル活動したが、相変わらず写真は難しい。富士山も微かに見える。
昨日の疲れはいくらか癒され、笠ヶ岳山頂を目指し岩だらけの斜面を登る。昔は右に巻き道が有ったが今は無い。難なく山頂に着き、播隆上人が祀られているのかなと思われる祠を見て左に進むと山頂に着く。少し曇り初めているが右から乗鞍、穂高、槍、鷲羽、水晶、更に遠くに薬師、そして、剣が見えない。昨日は冷え込んだ様で、途中に霜柱が有った。
そして、休まず岩のゴロゴロした斜面を槍見温泉目指して下り始める。霧の発生が無く、見通しが良いので先々の登山道が見えて、不安無く降りて行ける。チングルマは所々に有り、ヤハズハハコらしい葉と、ミヤマダイコンソウ、ヤマブキショウマの紅葉、そしてシロタマ、クロタマの実、その先ではタテヤマウツボグサが咲いていた。後ろを振り返ると笠ヶ岳の形は尖っている。それから下界は新穂高温泉辺りが良く見えるし、西穂高へのロープウエイも見える。間もなく槍ヶ岳は見えなくなり次第に樹林帯になる。最初の水場を通過して、次の水場で、後、1時間程度で着くだろうと予想してユックリ休憩を取る。それから、また下り始め、枯れたブナの大木に絡みついたツタの紅葉を望遠で撮ったが、体がふらつきピントは怪しい。
そして、クリヤ川を右岸に渡り、そして、また左岸に渡り、そして、また右岸に渡る。この場所が増水時危険を伴う場所らしい。クリヤ川の谷は深くなり、厳しそうな渓谷の様相を呈してくる。後ろを振り返ると大きな岩峰が見えるので、地図を見ると烏帽子岩かなと判断する。でも道はシッカリと谷に平行しているので問題無く下っていくと、下に赤い屋根が見えてくる。槍見温泉の屋根だと思い、安心して下る。そして、出発してから槍見温泉に4時間で着いた。昔の記憶だがこの名称に記憶が無いので、S42年に下った時の記録を取り出して見ると“宝温泉”と有り、当時は河原で水と温泉の湯を混ぜただけの簡単な野天風呂だった。また、そのころは若かったので裏銀座の烏帽子岳を午前1時に出て、笠ヶ岳山頂まで12時間かかり、それから下る途中、僅かな登りでも足が上がらず、息切れをした。その時、道端の豊富に熟した木イチゴを食べながら息をつき、ヤットの思いをして2時間25分で降りたと有った、今回はその木イチゴを期待して来たが2週間遅かったので何も無かった。(体力の衰退を認めざるをえない)
穂高連峰を望む | 焼岳と乗鞍岳を望む | 槍ヶ岳を望む |
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ナナカマドと穂高連峰 | 杓子平にて笠ヶ岳を望む | 杓子平の標識 |
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杓子平にて笠ヶ岳 | 抜戸岳登りにて笠ヶ岳 | 抜戸岳登りにて槍ヶ岳 |
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抜戸岳への標識(稜線) | 笠ヶ岳を間近に見る | 笠ヶ岳山荘 |
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笠ヶ岳山頂の祠 | 笠ヶ岳山頂の標識 | 笠ヶ岳山荘にヘリコプター |
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笠ヶ岳を仰ぐ | 笠ヶ岳山荘より穂高を望む | 笠ヶ岳山荘より抜戸岳方面を望む |
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雲が湧く槍ヶ岳 | 笠ヶ岳山荘より槍ヶ岳 | 穂高を撮る人 |
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穂高の夕焼け | 槍ヶ岳の夕焼けを見る人達 | 槍ヶ岳を見る |
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上昇気流と槍ヶ岳 | 穂高を見る人 | 穂高の夕暮れ |
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水晶岳方面の夕暮れ | 槍ヶ岳の朝焼け | 富士山の朝焼け |
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穂高の夜明け | 槍・穂高の夜明け | 槍ヶ岳の朝焼け |
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笠ヶ岳登りにて笠ヶ岳山荘を見下ろす | 笠ヶ岳登りにて槍ヶ岳を望む | ゴゼンタチバナの実 |
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笠ヶ岳を振り返る | 紅葉と槍ヶ岳 | 紅葉と穂高 |
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烏帽子岩 | ||
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