会員の山行 129号

【2008年07月19-20日/針ノ木岳/木内茂雄】

【タイム】 
(7/19)柏原新道登山口9:00〜10:05ケルン10:15〜10:52一枚岩〜11:24石畳〜11:32水平道〜11:56ガレ場〜12:31種池小屋13:22〜15:12岩小屋沢岳〜15:24新越乗越〜15:45新越小屋
(7/20)新越小屋6:03〜6:43鳴沢岳〜7:32赤沢岳〜9:19スバリ岳〜10:15針の木岳〜11:04針の木小屋12:15〜13:31大沢小屋〜14:19扇沢

【記 録】
(7/19)
 飯豊の石転び沢と針ノ木雪渓の比較も兼ねてやってきた。出だしでまたカメラを忘れる失敗をし、一度新潟から引き返したので出発が遅れてしまった。
 針ノ木小屋が予約で満員という情報なので、扇沢手前の柏原新道から登り始める。山道は整備されていて、登り易いが気温が高いせいか、汗をかく。花はゴゼンタチバナ、ユキザサ、ミツバオウレン、イワカガミなどの地味なものしか見えない。
 高度を稼ぐに従い、左後ろに明日登る、針ノ木岳と雪渓が見え、やがて蓮華岳も見えるようになる。そして、前方上の稜線に種池小屋が見えるようになる。途中、ガレ場の標識辺りでは、残雪多く雪を渡る。種池小屋前にはまだ残雪が有る。
 確実に体力が落ちていて、3年前に3時間で来れたのに30分余計にかかった。今日の行程はあと少ないのでユックリと昼食していると、何だか騒々しいのでそちらを見ると目の前に雷鳥親子が人懐っこくチョロチョロしている。雛が五羽もいて、その写真撮りで賑やかである。親鳥は写真家?にポーズをとり、10人位のカメラマンに愛嬌をふりまいているようでもあり、砂浴びもして見せる余裕だ。私もかなりの枚数を撮ったが、いい加減で止めて花を探す。
 小屋の前の広場からは真正面に蓮華岳、針ノ木岳、そして、針の木雪渓が手に取るように見える。そして、花は小屋を前後してミヤマキンポウゲ、ハクサンフウロ等が咲いているが、量が少ない。そして、池にはミズバショウが一株と、一回り小さいキヌガサソウが咲いている。区切りをつけて今日の目的地に向かうと、雪解けしたばかりの後にショウジョウバカマ、エンレイソウ、サンカヨウ、そして、ズダヤクシュ、カラマツソウ、シナノキンバイ、ハクサンチドリ、ヒメイチゲ、アオノツガザクラ、ハクサンボウフウ、ヒメツガザクラ、ヒメクワガタ等が咲いている。また、これから咲くのがコバイケイソウ、ミヤマコウゾリナ、クルマユリ、ヤマハハコ等である。更に先へ進むとシャクナゲ、ビニバナイチゴ、イワツメクサ、ヨツバシオガマ、ハクサンイチゲ等が咲いているが量が少ない。
 後を振り返ると種池小屋と爺ケ岳が淡麗に見え、その左後ろには鹿島槍ケ岳が見えるが、右半分が雲の中なので写真にならない。また、進行方向右遥か向こうには剣岳と立山連峰が見えている。今日最後の登り岩小屋沢岳を過ぎ、その先、新越乗越に立つと下の鞍部に小屋の屋根が見える。この小屋の前の広場からも前述の山、と雪渓が良く見える。それから、小屋の裏手からは、剣岳と立山連峰が霧の中にシルエットで見える。この小屋は北アルプスにしては小振りの大きさで、超満員にはならなかったが、夜は暑くて参った。
(8/20)
 夜、人いきれで暑く眠れず外に出て見たが、曇り空である。朝は更に悪くなり目的の針の木岳は雲の中と、霧雨状態なので、雨具を着けて行動開始する。時には風混じりで、写真を撮る気にもならず、黙黙と歩く。鳴沢、赤沢岳を通過し、8時半頃コマクサが現れたので、これは写真を撮る。そして、7分も下るとスバリ岳登りの鞍部に着く。此処で右下を見ると霧の向こうにコマクサが点々と咲いている。途中、白のコマクサも咲いていた。(敢えて場所は記さない)それから、何処かでトウヤクリンドウが花をつぼめていた。
 霧なので遠望は効かず、いつの間にか針の木岳の登りになり、シコタンソウ、が群生していて、その他、イブキジャコウソウ、ホソバアマナ、ミヤマシオガマ、イワツメクサ、チングルマ、イワベンケイ、イワオウギ、ミヤマオダマキ、ハクサンイチゲ、判らない小さな白い花等が楽しませてくれる。夫々の写真を撮りながら歩いていたら、針の木岳山頂に着く。視界はダメなので、直ぐに下る。この斜面は雪解けしたばかりで、ショウジョウバカマが咲いている程度の風景だ。急な下り道は時々残雪をトラバースするので、時には神経をつかう。
 或る程度ステップが切って有ると言えども、晴れていれば雪渓に一直線なので、緊張するだろう。小屋近くになると霧の中から雪渓を上下する登山客の“落石イーー”の声がしてくる。針の木小屋の前では偶然にも新潟のN氏、S氏達5人のメンバーにバッタリ会う。
 休憩後、念のため、4本爪アイゼンを付け、ストックを突きながら、降りるが大勢登るせいか、大きなステップが出来ていて問題無い、また、雪も固いところは無く、踵に重心をかけて降りれば危なくない。全般的に石転び沢より、斜度は緩く、幅も長さも小さいが大小の石が転がっているので落石には要注意だ。雪渓末端で左岸の夏道に入る。それからは、林の中、小沢の渡りを繰り返し大沢小屋も通過、途中、ショウキランを撮る。
そして扇沢へと向かう。

柏原新道登山口 登り始め振り返ると針の木岳
針の木岳遠望左蓮華岳 種池小屋
種池小屋前にて左蓮華岳右針の木岳 種池小屋前風景
種池小屋前風景−2 雷鳥
雷鳥親子 キヌガサソウ
アオノツガザクラ 種池小屋と爺ケ岳を振り返る
右剣岳、左立山 ヒメクワガタ
ヒメツガザクラ シャクナゲ
不明 イワツメクサ
ミヤマダイコンソウ コケモモ
岩小屋沢岳山頂 新越小屋前風景
新越小屋前にて蓮華岳と針の木岳 新越小屋より新越乗越を見上げる
新越小屋裏より夕暮れの剣岳を望む コマクサ
シコタンソウ ミヤマシオガマ
不明 ホソバアマナ
不明 イワベンケイ
ハクサンイチゲ ミヤマオダマキ
イブキジャコウソウ イワオウギ
針の木雪渓 タテヤマウツボグサ
ショウキラン ベニバナイチヤクソウ
扇沢登山口