会員の山行 132号

【2008年08月16-17日/南アルプス:塩見岳/木内茂雄】

【タイム】
(8/16)鳥倉林道ゲート5:46〜6:22鳥倉登山口バス停6:28〜:24コル7:32〜8:18貴重な水場〜8:37塩川ルート合流8:41〜9:0三伏峠(小屋)9:22〜9:27荒川三山と塩見岳の分岐〜9:39三伏山〜10:35本谷山10:46〜12:10塩見新道合流〜12:30塩見小屋
(8/17)塩見小屋5:04〜5:32天狗岩〜5:57塩見岳山頂〜6:42塩見小屋6:55〜7:03塩見新道分岐〜8:11本谷山8:16〜9:03三伏山〜9:10荒川三山分岐〜9:16お花畑9:19〜9:24荒川三山分岐〜9:27三伏峠(小屋)〜9:39塩川ルート分岐〜9:56貴重な水場〜9:58鳥倉登山口まで2k(1時間20分)の標識〜11:10鳥倉登山口バス停〜11:50鳥倉林道ゲート
【記 録】
 前日夜、松川ICを降り、料金所を出るとそのまま一般道になって行く。町に下っていく途中幾つめかの信号の右向こうにコンビニを見つける。これを見逃すと後は無い。大鹿村から鳥倉林道に入ると、道はかなりの蛇行で登っていくが舗装されているので楽だ。マニュアル3速でないと登れない。そして、延々50分もハンドル操作していくと、月が煌煌としている中、右手の山波のシルエットに塩見岳らしいピークを見てから、間もなく、ゲートに着く。トイレも有り、駐車場は30台以上停められるようだし、路肩にも停められるようで大分離れた所にも駐車している。
(8/16)
 昨日からの快晴は続いていて、その中、ゲートから歩きだす。舗装されているきつい傾斜を歩きながら道端を眺めていくと、キツリフネ、クガイソウ、ウメバチソウ、センジュガンビ、そして、沢筋にオタカラコウ、崖の上には望遠でやっと撮ったタカネビランジ等が退屈な登りを元気づけてくれる。30分ほど舗装を歩き左に回り込むと砂利道になり、間もなく鳥倉登山口になる。此処にバス停が有、9;25と14:25発の時刻が記されている。そばには仮設トイレが四つ並んでいる。此処からカラマツ林の登りで、マルバダケブキが多く咲いている。そして、カラマツ全部に鹿から守るためなのか、ナイロンテープが螺旋に巻かれている。これはかなり大がかりな作業をしている。それから暫くすると斜面の右を巻く様になりシラビソの林に変わっていく。そして、途中日が差し込む場所になるとオダマキ、ホタルブクロ、が少し咲いている所有り、帰りに気づいたが、葉の無い珍しい花?を見つけた。
 登山道はなだらかにつけられているので歩き易いが、シラビソの林の中を行くので見晴らしが利かないのが難点である。途中、貴重な水場とあるがチョロチョロなので殆ど取れないのではないだろうか?
 塩川ルートからの合流点に標識が有、三伏小屋まで30分と記されている。この辺を前後して左手に中央アルプスが雲の上に浮かんで見える。三伏小屋の周りは見晴らしが利かない。一服後、5分も下ると右、荒川三山、水場、お花畑方面、左、塩見岳方面と標識が出ている。
 此処までにグンナイフウロ、トモエシオガマ、ホソバウスユキソウ、コバノイチヤクソウ等を少し見つける。そして、道を左にとり、8分もなだらかに登ると森林限界になる。此の辺りでアキノキリンソウ、タカネマツムシソウを見つける。そして、三伏山からは塩見岳が良く見え、また、仙丈岳、甲斐駒ケ岳、農鳥岳、間ノ岳、北岳らが、これが南アルプスだよと言うかの様に大きな山波を見せてくれる。それから、本谷山へ向かうとシャクナゲの連続だが、花芽が付いていないので、来年は外れ年だろう。やがて樹林帯に入って行き、本谷山の登りにかかるとマルバダケブキの群生、そして、そこに、タカネコウリンカ、トリカブト、ウメバチソウ、ハクサンフウロ等が咲いていて私を喜ばせる。それから今まであちらこちらにコバイケイソウの残骸が立っている。急な登りもなく本谷山に着くと此処からも白根三山、そして、塩見岳が更に近づいて見える。最高の快晴の中、また緩やかに下って行くと樹林帯に入り、その先は長く緩やかな登り降りが続くので退屈である。そして、塩見新道が合流して来て、20分も登ると塩見小屋に着く。山小屋らしい小屋で、背後には塩見岳の岩峰が聳えている。この頃より、黒い雲も出始め、山頂を雲が去来するので、あまり、遠望は利かないだろうと予測して、明日の快晴に期待し、後は小屋の前で塩見岳を眺めながら一杯をたしなむ。何故か傍らにはウサギギクが一株ある
(8/17)
 残念ながら期待を裏切り、夜中には雨が降り、朝は霧である。それでも山頂は極めようと出発する。直ぐに急登になり、時々岩場混じりを進むと花が現れる。チシマギキョウ、シコタンソウ、イワツメクサ、ホソバツメクサ、シコタンハコベ、ミヤマミミナグサ、トウヤクリンドウ、コゴメグサ、イブキトラノオ、ミヤママンネングサ、ミヤマシオガマ、トウヒレン、イブキジャコウソウ?そして、花の終わったイワベンケイ、イワオウギ、ミヤマキンバイ、ハクサンイチゲ、オヤマノエンドウ、等が霧の代わりに慰めてくれる。花を楽しみながら急登を続けると、やがて、視界の利かない山頂に立つ。風は弱いが少し寒いので早々に引き返す。そして、塩見小屋に置いたザックを背負い、昨日来た道を戻る。三伏小屋手前の分岐で荒川三山方面にお花畑と案内が有るのでザックを置き、見に行く。6分程でお花畑に着くと、もう終わりなのか、あまり賑やかでない。量は少ないが有るのは、タカネマツムシソウ、ハクサンフウロ、タカネコウリンカ、トモエシオガマ、マルバダケブキ、ミヤマアキノキリンソウ、トリカブト、イブキトラノオ、オヤマリンドウ、花の終わったコバイケイソウ等である。傍らには鹿から植物を保護するための防護柵が設けられている。その説明書きを見てから引き返す。後は昨日の道を登山口へと引き返す。
 駐車場から鳥倉林道を大鹿村へと走っていくと、途中で鹿2頭が山の斜面を駆け上がって行くのを見つけ、村の名前の由来はこれかと想像する。それから、花の百名山にはミヤマシシウドが紹介されているが今回のコースでは見つけられなかった。それよりはマルバダケブキが目立った。

鳥倉林道ゲートを振り返る センジュガンビ
鳥倉登山口 山の地質説明
三伏峠の説明 カラマツにナイロンテープとトウゲブキ
途中の標識 コバノイチヤクソウ
塩川小屋からの合流標識 三伏小屋手前で仙丈岳を望む
三伏小屋 三伏峠標識
トモエシオガマ ミヤマミミナグサ
グンナイフウロ 荒川三山と塩見岳の分岐標識
三伏山標識と後方塩見岳 本谷山付近で塩見岳を望む
本谷山標識と塩見岳 本谷山より左仙丈岳、右甲斐駒ケ岳
塩見新道合流標識 塩見小屋
塩見小屋より塩見岳を仰ぐ 塩見小屋前風景
塩見小屋前にてウサギギク シコタンハコベ
ホソバツメクサ トウヒレン
コゴメグサ ミヤマシオガマ
シコタンソウ ミヤママンネングサ
ヒメエゾシオガマ(仮称)? ゴゼンタチバナ
マルバダケブキの群生 ホソバウスユキソウ
トウヤクリンドウ タカネマツムシソウ
東海パルプの説明 高山植物の保護説明
葉の無い不思議な花?