会員の山行 135号

【2008年09月14-15日/焼岳〜西穂高岳/木内茂雄】

【タイム】 
(9/14)中の湯登山口6:36〜7:17第一ベンチ〜8:13第二ベンチ(リンドウ平)〜8:36新中の湯ルートに合流〜9:40火口9:48〜9:57焼岳山頂〜10:40焼岳展望台〜10:47焼岳小屋11:20〜14:09上高地からの道に合流〜14:21西穂山荘
(9/15)西穂山荘6:05〜6:55独標〜7;18ピラミットピーク〜7:58西穂高岳山頂8:23〜9:01ピラミットピーク〜9:20独標〜10:00西穂山荘10:50〜10:57焼岳との分岐〜11:31宝水〜12:09西穂高岳登山口(ほだかばし付近)
【記 録】
(9/14)
 沢渡に車を置き、シャトルバスに乗り中の湯で下車、此処から高山方面に歩き出すと、直ぐ右脇に“塚原朴伝の湯“が有るが入って行くわけにはゆかない。数分歩くと右から沢が降りてきていて、そこに登山口が有るが見逃し易い。直ぐに急登になるが、道はジグザグに整備されているので歩き易い。周りはシラビソの林で地面は笹に覆われているので花は見つけられない。(シラビソと思っていたら、何処かでトウヒと説明されていたので、あとで図鑑を調べたがトドマツ、モミも似ていて区別が判らない)第二ベンチに着くまでに岳樺も混ざってくる。此処は別名”リンドウ平”と言うようだがオヤマリンドウを数本しか見つけられない。此の辺りまで、ゴマナ、オンタデ、アキノキリンソウ、カニコウモリ等が咲いている程度でイワナシ、ゴゼンタチバナ、ツルリンドウ、チゴユリ、マイヅルソウ等の葉とシラタマノキの実を見つける。新中の湯ルートと合流する頃は殆ど岳樺になり、そこから数分で見通しが良くなり、噴煙あげる焼岳を見上げることが出来る。新中の湯からは大勢登山客が登って来る。そして、岳樺も無くなり溶岩に草が生えている所を歩きながら、見上げればいつも青空に噴煙上げる焼岳が聳えている。登り切ると向こうの下には火口に青い水の池が有る。振り返れば登山客がゾロゾロ登ってくる。
 此処から右にトラバース気味に10数分も登ると焼岳小屋からの道に合流する。そこで左折れして登ると、直ぐそばに硫黄で黄色くなっている岩の間から噴煙が上がっている。焼岳山頂に立つと先程の火口池が見下ろされたが、見えるはずの山々は雲で見えない。そして先程の合流点に戻り、焼岳小屋を目指し一気に下る。時々振り返って見るが、ゴツゴツした奇怪な岩の山であまり恰好良い山とは言えない。そして、焼岳小屋周辺になると、また、トウヒに囲まれた林に入る。コジンマリしている小屋の前で2Bをかたづけながら昼食をとる。此処には西穂山荘方面の標識は無く、中尾温泉方面に数分行くと、右、西穂高岳の標識が有る。この道を行くとトウヒの樹林帯に登山道は続いている。途中振り返ると焼岳が樹間越しに見える時が有る。幾つものピークを登り降りして高度を上げていく。
 何処かの平で地面が笹で覆われているところで、木の根に両足が引っ掛かり踏ん張ろうかと思ったが、一瞬、笹に頭から倒れた方が良いと判断して倒れこんだところ、何かの石に当たったらしい衝撃を受ける。暫くその痛さで朦朧としてから、確かめると笹藪の中に倒木が隠れていたのには参った。最近ボケ気味なので、これで頭が冴えれば良いが。それから、時には右側が視界良く梓川と、水の少ない大正池そして、霞沢岳、その向こうには南アルプスなどが遠くに見える。そして、退屈な登り降りを繰り返して、漸く上高地からの道と合流する。此処から12分で西穂山荘に着くが、トリカブトとアザミの花が目立つ。山荘前はロープウエイから来る人たちも加え大賑わいである。山荘の受付を済ませてから、山荘前のベンチで寛ぎながら、生ビールを2杯片付ける(1杯800円なり)西穂高岳方面は丸山が邪魔して見えないので、今日の内に一目、西穂高岳を見ようと丸山まで散歩する。登って見ると素晴らしい青空になっていて、独標から西穂高岳の岩峰群が顕著に立ち並んでいる。そして、右手には前、奥穂高岳が見える。左手の笠ケ岳は残念ながら雲の中である。これで、明日は霧になってもまず安心と思い山荘へと引き返す。山荘は綺麗で更衣部屋も有り、廊下にはザック置き棚が有り、部屋は混乱しない。夕方、部屋から笠ケ岳のシルエットを眺める。
(9/15)
 昨夜は、宵の明星と月夜と星空で、今日の天気は最高だろうと夜中に確認して安心する。
朝起きて見ると霧で心配するが次第に雲が上がってきて期待を持たせてくれる。山荘の外の庇の下に雨に濡れないように荷物棚有り、此処に大半の荷物が置けるので便利である。これを利用してサブザックで西穂高岳を目指す。丸山の登りで振り返ると焼岳と乗鞍岳が良く見える。真下には出発の準備をしている登山客で、山荘前が活発である。丸山から昨日見た独標をまず目指し、高度を稼ぐ。荷物が軽いので50分で独標に着く、此処から岩場の登り降りが始まる。まず独標からの下り始めが初心者を躊躇させるだろう。3点支持が出来ない人はむずかしいので岩場経験のある人と来た方が良い。特に西穂高岳直下の岩場10m位はスタンスが小さく、登りは何となく登れるが下りは、慎重に降りないと危ない。途中花はイワツメクサだけが何とか咲いていて、後はミヤマキンバイ、ハクサンイチゲ、ミヤマダイコンソウ、トウヤクリンドウ、ミヤマコウゾリナの葉だけが確認出来るだけである。
 山頂では左から笠ケ岳、抜戸岳、双六岳、黒部五郎岳、立山、剣岳?槍ヶ岳、北穂高岳、ジャンダルム、奥穂高岳、前穂高岳、その右遠くに八ヶ岳、富士山、南アルプス、手前に梓川、霞沢岳、振り返れば焼岳、乗鞍岳、木曾駒ケ岳。白山、等などを確認しながら、至福のひと時を過ごす。(此処にはS38,7,16に来ているが当時の記憶は蘇らない)後は今来た道を下る。そして、西穂山荘でまた生ビールに手を出しながら昼食をとる。下りは上高地へとルートをとり下って行くがトウヒの樹林帯で目ぼしい花は無く、サラシナショウマ、カニコウモリくらいで、タケシマラン、ユキザサ、コバイケイソウ、ハリブキ、キイチゴの葉くらいを見つける。トウヒの幹の高い所に赤い四角い標識に上高地と西穂高岳が記されている。これは冬山用に高い位置に取り付けられているのだろう。上高地が近く感じる頃、斜面はきつくなり、時には階段も有る。やがて、沢音がしてきて、傾斜がゆるくなると、“ほだかばし“近くの登山口に着く。

秘湯“塚原朴伝の湯” 焼岳登山口
焼岳を見上げる 火口乗越より火口池を見下ろす
焼岳の噴煙 焼岳山頂近くの噴煙
焼岳山頂標識 焼岳山頂より大正池を見下ろす
焼岳山頂より火口池を見下ろす 倒れた案内板
焼岳を振り返る 焼岳小屋
焼岳小屋前風景 西穂山荘に向かう途中焼岳をかいま見る
西穂山荘 西穂山荘前のテント場
西穂山荘前風景 西穂山荘前の標識
丸山より西穂高岳を望む 丸山より西穂高岳を望む
丸山にて前、奥穂高岳を望む 笠ケ岳の夕暮れ
朝焼けの西穂山荘、後方焼岳と乗鞍岳 遠く富士山と南アルプスを望む
西穂高岳独標にて笠ケ岳 独標にて焼岳と乗鞍岳を振り返る
独標より手前ピラミットピーク、右ジャンダルム 独標より、左遠く八ヶ岳、右南アルプス
西穂高岳山頂、後方笠ケ岳 西穂高岳山頂にて笠ヶ岳
西穂高岳山頂にて槍ヶ岳を望む 西穂高岳山頂より独標梓川と焼岳方面
西穂高岳山頂にて手前梓川、霞沢岳、
遠く左八ヶ岳、右南アルプス
西穂高岳山頂にてジャンダルムを望む
西穂高岳山頂風景 イワツメクサ
西穂山荘の外部ザック置場 西穂山荘下りにてアザミ
上高地への下りの標識 西穂高岳登山口
上高地の帝国ホテル