会員の山行 156号

 【2009年07月18-20日/南アルプス・赤石岳/木内茂雄調査】

【タイム】
(7/18)畑薙臨時駐車場9:23〜10:21椹(さわら)島10:48〜10:56登山口〜11:28 1/5標識〜12:21 2/5標識〜13:13 3/5標識〜13:21途中の標識〜14:06 4/5標識〜14:44赤石小屋まで30分の標識〜15:07赤石小屋
(7/19)赤石小屋5:13〜5:49富士見平〜6:47沢筋の花畑〜8:00稜線〜8:24赤石岳山頂〜8:28赤石岳避難小屋 
(7/20)赤石岳避難小屋5:19〜5:26赤石岳5:34〜5:45稜線分岐〜7:02富士見平〜7:25赤石小屋7:40〜7:54赤石小屋まで30分の標識〜8:16 4/5標識〜8:34椹島まで90分の標識〜8:38 3/5標識〜9:03 2/5標識9:12〜9:54 0/5標識〜9:55登山口〜9:59椹島
【記 録】
(7/18)
 大事な3連休を荒川三山から赤石岳を計画していたが、6月30日に千枚小屋が焼失したので、赤石岳周りに変更して向かう。車の運転距離は630kmだが清水ICを降りて間もなく、山道が100kmくらい有り、これが2時間以上かかるのが大変だ。そして、畑薙のバス停で雨の中、1時間半も待ったロスが大きい。
 椹島でバスを降りると、辺りは広々としていて、トイレ、休憩所、炊事場、白幡史郎写真館等の建物等が有る。標識に従い歩き初め、8分程で千枚岳方面を右に見て、登山口となる。鉄製の階段を昇り、すぐ先に5分の0の標識が有る。赤石小屋まで約50分間隔で5等分されている。登山道は杉の植林帯からナラ林、そして、シラビソの樹林帯にと変化していく。山が大きいので尾根全体の傾斜は緩やかで、急傾斜になれば、ジグザグの道に整備されていて、とても歩き易い。樹林帯なので花は、ギンリョウソウ、イチヤクソウ(白、紅)、ヒメウツギ、ゴゼンタチバナと不明な花、それから、花はまだだがカニコウモリ、そして、ハシリドコロが密生している所も有る。あとは、シラビソの樹林帯なので展望もきかず、5等分の標識を頼りに黙々と歩くのみである。天気は雨だが風ガ無いので雨具の下を着、上は着ず傘で歩く。それでも赤石小屋に着いた時は汗で結構濡れていた。二日後に分かった事だが、小屋の前から赤石岳がよく見える。
 それも知らずに早々に小屋に入る。小屋は新しく奇麗であり、係の人達も対応が良い。後は山でのお決まりのコースで350ccのビール少々と、日本酒と間違え焼酎、そして、また、と繰り返す。夜は意外にもユックリしたスペースで眠れる。
(7/19)
 朝起きてみると、風強く、雨模様である。これでは、荒川三山は諦めだがまずはと、赤石岳を目指す。30分程で富士見平に着くが何も見えない。少し森林眼界の様相を呈し、ハクサンシャクナゲとナナカマドを見かける。此処から少し下り気味になり、再度シラビソの林、そして、岳樺の林を緩やかに登るようになる。尾根の下を左に1時間くらい巻きながら進むと沢筋に出て花畑が始まる。此処からは沢を左に見ながら、急な傾斜を登るようになる。晴れていれば左上に赤石岳を見上げるようになる。沢の水が豊富で、右斜面近くでは残雪が取れる。目を楽しませてくれる花は、イワカガミ、アオノツガザクラ、ツガザクラ、ミヤマダイコンソウ、ハタザオ、ミヤマキンポウゲ、シナノキンバイ、トウヒレン、ヨツバシオガマ、ハクサンイチゲ、ハクサンフウロ、グンナイフウロ、キバナノコマノツメ、ヤハズノハハコグサ、イワベンケイ、ウスユキソウ、ハクサンチドリ、カラマツソウ、ミヤマオダマキ、チシマアマナ?、帰りに気付いたクロユリがあちこちに咲いている。これからのコバイケイソウ、花の終わったショウジョウバカマ等等。それから、稜線近くからキバナシャクナゲ、稜線から山頂までミヤマキンバイ、イワウメ、オヤマノエンドウ、ミヤマシオガマ、ハクサンイチゲ、これからのツメクサ等。更に赤石岳避難小屋の周囲ではミネズオウ、とキバナシャクナゲの見事な群生に感激する。
 しかし、天候は物凄く、右から来る突風と雨でザックカバーは簡単に剥がれ、時には立ち止まり突風をやり過ごし、また時には三度傘の“オヒカエナスッテ”スタイルで身を低くして、踏ん張って歩く。この天候の中で歩くのは、何の意味も無いので早々に避難小屋に入り今日は停滞とする。小屋の中はピカピカで奇麗で、小屋番の人は気さくで雰囲気が良い。レトルトの食事も出るがビールと熱燗で、更に焼酎、少々のウイスキーとで、当初の心配通り翌朝は少々変であった。この悪天候なので、登山客は8人位で、何処にでも自由に寝れた。
(7/20)
 前日の朝から夜までの“お天気祭り”が効いて、夜中から満天の星で、朝、霧がまいたが直ぐに上がり、360度の景色である。見上げると山頂は直ぐ其処である。もう一度、キバナシャクナゲ、ミネズオウを見てから山頂に上がる。富士山は勿論、聖岳、中央アルプス、木曽御岳、北アルプス、八ヶ岳、その他、地図に書いてある諸々の山山が一望できる。山頂で360度を何回も繰り返してから、昨日とうって変わった好天気の中、同じ道を引き返す。登山は矢張り晴れが良い。

畑薙臨時駐車場
バスを待つ人達
さわら島風景
さわら島の歴史
白幡史郎写真館
さわら島標識
大倉喜八郎の説明
登山口の鉄製階段
赤石岳周辺の説明図
千枚小屋焼失の説明
ヒメウツギ
不明
ゴゼンタチバナ
赤石小屋到着
トウヒレン
キバナシャクナゲ
キバナシャクナゲの群生
ツガザクラ
アオノツガザクラ
ヤハズノハハコグサ
イワベンケイ
稜線の標識
雨に濡れたミネズオウ
ミネズオウ
翌日のミネズオウ
雨に霞む赤石避難小屋
オヤマノエンドウ
赤石岳避難小屋から見た山頂
赤石岳避難小屋から見た聖岳
ミヤマシオガマ
赤石岳山頂より中央アルプスを望む
早朝の赤石岳山頂
手前より小赤石、中岳、悪沢岳
赤石岳山頂より避難小屋を見下ろす
赤石岳山頂と富士山
山頂より小赤石を見下ろす
コイワカガミ
赤石岳山頂に一つだけチングルマ
赤石岳山頂より聖岳を望む
赤石岳山頂より中岳、悪沢岳を望む
富士山
赤石岳山頂より北アルプス方面を望む
赤石岳山頂より富士山を望む
稜線より赤石岳を望む
赤石岳をまた見る
稜線から下る人達
クロユリ
富士見平より赤石岳を望む
チシマノアマナ?
?カズラ
シナノキンバイ
ハクサンイチゲ
カラマツソウ
グンナイフウロ
岳樺の登山道
赤石岳の山肌に残雪
ハクサンシャクナゲ
富士見平の標識
富士見平より富士山
ナンカマドにハナアブ
赤石小屋前にて赤石岳
赤石小屋前の標識
ギンリョウソウ
帰りのバスの中より赤石岳を見上げる
帰りのバスの中より畑薙大吊橋
帰りのバスの中より畑薙ダム