【2010年07月31-01日/北ア:浄土山、五色ケ原、雄山/木内茂雄調査】
【タイム】
(7/31)立山駅(ケーブル)6:32〜6:40美女平6:50(高原バス)〜7:40室堂7:59〜9;19浄土山〜9:28竜王岳(一の越との分岐)〜10:07鬼岳東面〜二つ目の鬼東面10:17〜11:11獅子岳〜12:01ザラ峠〜12:21五色ケ原末端〜12:28五色原ヒュッテ跡〜12:46五色ケ原山荘
(8/1)五色ケ原山荘5:30〜5:58ザラ峠〜(40分急登)〜7:01獅子岳〜7:32残雪〜7:36鬼岳東面〜7:44二回目残雪〜7:51二回目鬼岳東面〜7:57三回目残雪〜8:32鬼岳横鞍部にて雷鳥撮り8:42〜8:47竜王岳〜9:09一の越9:41〜10:07山頂見える〜10:24雄山山頂1-:30〜10:55一の越〜11:22室堂山荘〜11:33室堂バスターミナル
【記 録】
(7/31)
40数年前に通った時の五色ケ原の記憶が無い。そこで、名前からしてお花畑が有りそうなので、楽しみにしてやって来た。室堂バスターミナルは3階建てで、登山道には3階から外に出る。
辺りは霧で遠望が利かない。シッカリした、標識を頼りに歩き出す。雰囲気は平原状で、花々が咲いている。やがて、霧の中を室堂山、浄土山の登りとなるが、見えるはずの雷鳥沢辺りの景色が見えない。
止むを得ず、浄土山まで花を見つけて歩くと、ミヤマキンポウゲ、チングルマ、シナノキンバイ、クチバシシオガマ、イワイチョウ、アオノツガザクラ、ハクサンボウフウ、ハクサンイチゲ、キバナノコマノツメ、ハタザオ、ウサギギク、オンタデ、コイワカガミ、ヤハズノハハコグサ、ミヤマキンバイ等がさいている。高度が上がってくると、クロユリ、トウヒレン、ホソバツメクサ、ミヤマキンバイ等を見つける。
相変わらずの霧で、浄土山の分岐を通り過ぎ、後で気付いた程度で竜王岳に着く。此処から左に一の越、右に五色方面と分岐する。此処では何かの建物が建築中である。傍の建築資材を風除けにして休憩してから、五色方面へと下って行く。霧の中なので、何処をどう歩いているのか全く景色は見えない。唯、登ったり、降りたりの繰り返しと残雪を3回渡り(シッカリとステップが切られているので、問題なし。)、獅子岳を過ぎ、ザラ峠への急斜面の下りになる。
此の頃少し霧が晴れ、暫く峠を見下ろせた。しかし、見える筈の五色ケ原は霧の中である。獅子岳までに見つけた花はミヤマクワガタ、イワベンケイ、ミヤマキンポウゲ、ハクサンイチゲ、ヒョウタンボク、カラマツソウ、ハクサンフウロ、シナノキンバイ、クルマユリ、エゾシオガマ、クチバシシオガマ、ダイモンジソウ、イワギキョウ、ツマトリソウ、ゴゼンタチバナ、ヒゴダイ等、そして、既にウメバチソウが少し咲いている。それから、ザラ峠までに、それ以外でシラタマノキ、イワハゼ、クロユリ、ミヤマリンドウ、イワギキョウ、トウヤクリンドウ、ミヤマダイコンソウ、トリカブト、ヤマハハコ、オンタデ、何とかタンポポとタニジャコウソウより二周りも小さいジャコウソウを見つけたが名前が判らない。そして、ザラ峠の急斜面ではオタカラコウが斜面に花畑を成している。更に峠に降り立つと、その鞍部にはイブキジャクソウが株を成している。これらの花々は大変に心を和ませてくれたが、14、5名のパーテイ二組が鉄梯子と鎖場でモタモタしているのにはフェイントをくらい、調子が狂う。
こんな箇所に梯子も鎖も要らないと思うし、更に岩場の多い山ではストックは三点確保には邪魔だし、かえって危険だと思うが?私としては優しい山でも断然ストック反対を唱える。(但し、緊急用としてザックに結び付けておく分には構わない。)
ザラ峠からの登りは右側の崩壊が続く赤茶けた山肌をみながら登るが、登山道脇にはミヤマアキノキリンソウ、ミヤマコウゾリナ、イワオトギリ、ミヤマホツツジ、コケモモ、などが迎えてくれる。この登りは20分程で急登は終わり、間もなく五色ケ原末端を告げる木道を歩く様になる。そして、7分程で左に今は無き五色ケ原ヒュッテへの分岐が有る。それから、暫く緩やかな登りになり、或る台地に立つと待っていたかの如く霧が晴れ向こうに、五色ケ原山荘が見える。そして、傍らにはハクサンコザクラがチラホラと可憐な花を見せてくれる。
山荘に着いてから十分に時間が有るので、木道沿いに散策をする。山荘の前のウサギギクの大きな株を見ながらキャンプ場の方に少し下って行くが余り花は無さそうなので、戻り、越中沢岳方面に行って見る。
鷲岳の裾野部分辺りにクロユリを見つける。地図にも群生地と標記されているが咲き終わったのか、数少ない。しかし、小さな苗が其処かしこに見られるので時期を選べば楽しめそうだ。その他にも勿論、チングルマ、ハクサンイチゲ、ハクサンチドリ、ミヤマリンドウ、ヒゴダイ、そして、コバイケイソウなども群生しているお花畑が有る。少し霧が切れた時には山荘の前からは針ノ木岳、烏帽子岳、遠くに黒部五郎岳らしい山が見える。雲混じりの景色なので、山々が全部見えた訳ではないが、快晴の時は、恐らく“雲上の庭園”ではなかろうか?
又、霧に閉ざされてきたので、山荘に入る。
(8/1)
夜中に窓から月明かりが差し込んでいて、星も見えていたので快晴だと喜んだ。しかし、朝になると昨日同様の霧で視界が利かない。身支度をして、唯、黙々と同じ道を引き返す。
ザラ峠からの急登は40分で登り切る。それから先も霧の中であったが、鬼岳と竜王岳との鞍部に来た時、突然霧が晴れ、雄山、鬼岳、槍、穂高、薬師岳が雲海の上に浮かび上がった。おまけに、直ぐ近くには雷鳥親子が出迎えてくれる。この一時こそが、山の魅力としか表現しようがない。
それからはルンルンの足取りで、竜王岳を越え、一の越へと下る。途中見かける花はイワギキョウ、ムカゴトラノオ、ホソバイワツメクサ、イワツメクサ等である。一の越で休憩しながら、雄山方面を見上げると、登山客がウヨウヨと山肌に取り付いているのが良く見える。室堂から手頃に登れるので一般客、学生でごった返している状態だ。登り降りで渋滞するかと思っていたら、意外と登山道が網目の様に有り、人を避けながら行動できた。
山頂には、御土産屋?神社が有り、その神社に登るには仕切りが有り、500円だと言う事で省略する。大汝山の方を見るとガスで直ぐ見えなくなり、先ほどまで見えていた槍、穂高、薬師岳なども雲の中に隠れたので、引き返す。一の越からの下りは石畳の登山道で後から、後から登山客(参拝者?)が登って来るし、下る人も多く驚く。室堂バス停は上高地の様に大混雑でないかと少し急いで降りた。
【追記】
立山駅から高速道路に向かっていく時、この地方も“ナラ枯れ”が始まっているのに気付いた。
ロープウエイ立山駅 |
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美女平駅 |
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称名ノ滝 |
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霧の室堂駅出発 |
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霧の中を行く |
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標識 |
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浄土、五色方面の標識 |
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チングルマ |
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形の悪いクロユリ |
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トウヒレン |
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ホソバツメクサ |
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ミヤマキンバイ |
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一ノ越との分岐標識 |
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一つ目の鬼岳東面標識 |
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鬼岳東面二つ目の標識 |
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ヒョウタンボク |
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カラマツソウ |
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霧に霞むクルマユリ |
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エゾシオガマ |
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ダイモンジソウ |
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獅子岳山頂 |
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シナノキンバイ |
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クロユリ |
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ミヤマリンドウ |
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イワギキョウ |
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トウヤクリンドウ |
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ザラ峠への下り |
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ザラ峠へ行列 |
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オタカラコウの群生 |
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何、タンポポ |
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オンタデも群生 |
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崩壊が進む山肌 |
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イブキジャコウソウ群生 |
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ザラ峠の標識 |
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アキノキリンソプ |
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ミヤマコウゾリナ |
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ミヤマホツツジ |
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五色ケ原末端に出る |
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ハクサンコザクラ |
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ハクサンコザクラ |
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五色ケ原山荘が見えた |
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五色ケ原山荘 |
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終わり掛けのウサギギク |
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ミヤマキンバイ |
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ハクサンチドリ |
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クチバシシオガマ |
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霧が晴れた鷲岳 |
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コバイケイソウ |
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ミヤマリンドウ |
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アカモノ |
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