会員の山行 212号

【2011年04月10日/角田山/井上邦彦調査】

◎山行者=竹爺夫妻・SIMIKENN・HZU・EAG・SAYAKA・まこと
◎概要
 前夜の小国山岳会総会時にまことさんから電話があった。明日の角田山に同行してくださるとのこと、ありがたくお願いすることにした。翌朝、別件でSIMIKENNさんに連絡を取ると、 昨夜の総会時に竹爺から誘われて、角田山に同行するとのことであった。
 7時直前、竹爺夫妻が迎えに来てくれた。慌ててご飯をかき込む。07:09コンビニでSIMIKENNさんと合流し2台で高速道路へ。イッチャンが樋曽山登山口の駐車場確保に出発してくれたとのメール、予定を変更し角田浜でまことさんと待ち合わせと返信する。イッチャンありがとうございます。新潟西ICで下り、09:00に角田浜海水浴場駐車場に到着。トイレに行ったり準備をしていると、まことさんも到着。一路さん夫妻も来て下さった。それにしても凄い車の数だ。バスもきている。
 まだ一面雪で覆われている小国町から来た者にとって、花もさることながら緑に触れる度に歓声が上がり、なかなか前に進まない。これだけの登山者ならばスパイク長靴やカバーをしていないストックは止めた方が良い。KAATYANNはストックを縮めてザックに付けた。人また人の行列、私達はゆっくりと登る。雪割草も良いが、カタクリの大群落は見事である。
 角田山の広い山頂には沢山の人が思い思いにくつろいでいた。山頂で記念撮影をし、まことさんの提案で先に進んだ。途中には立派なトイレとそうでもないトイレがあった。まことさんが選んでくれた場所は、神社があり、芝生になっていた。恐らくは445m地点だと思う。目の下には越後平野と日本海が広がっていた。何故か下までワイヤーが張られていたが、何をするためのものか、よく分からなかった。ここで竹爺が豚汁を作り始めた。次々と出てくる料理に舌鼓を打つ。遠くは霞がかかり飯豊連峰は遠望できなかったが、陽は暖かく眠気を感じる程だった。
 再び山頂に戻る。山頂一帯には桜を植樹し、砂を上げ芝生が貼られ、歩道は木道となっていた。自然植生を楽しむと言うより、人為的な公園として整備されているという感を強くした。灯台コースに歩を進めると、登山道は泥濘と化していた。当然ながら道が広がり巻き道も形成される。何故水抜きをしないのか不思議に思った。
 気温も高くなってきたので、尾根道を覆い尽くすカタクリは花弁を上げて舞姫となっている。人が集まっていたので、覗いてみると道端に数輪の白いカタクリが咲いていた。途中には山小屋があった。雪が少ないのでこれでも潰れないのだろうと思った。尾根は北西に下っているが、左手(南西斜面)はカタクリが何処までも広がり、右手(北東斜面)に雪割草が多いと感じた。登山道から右手斜面に若干下って写真撮影をしている数人を見掛け、まことさんが自然に声をかけたら、素直に登山道まで戻ってくれた。
 296m付近から下の展望が開けた。登山道の脇の切り株に標識があった。依然ここに大きな梨の木があり、シンボル的なものだったのが、ある日誰かが無断で根本から伐採したのだそうだ。ネットで調べてみると、1997年1月新潟県植物保護第21号に「自然保護の黒い手」と題して角田山山頂の改変が掲載されていた。ここに記載されている「角田山緑のネットワーク」として検索したら、すぐに見つかった。さらに2009年4月には、この梨の木の伐採が記載されているブログがあり、2011年においても毎日のように梨の木の下部が伐採され続けているようだ。二人の登山者が「ここには沢山の雪割草があったのに、伐採された木で覆われて見えない」と寂しそうにつぶやいていた。確かに、目の前には日本海に落ちていく灯台コースの醍醐味が広がっている。一方、両脇にはチェーンソーで遠慮なく刈払われた木の株と残木が生々しい。私達は飯豊連峰や朝日連峰で人間が荒らしたてしまった植生の傷口を、自然の復原力で回復して欲しいとして活動しているが、余所の植物を入れないことには特に配慮している。角田山で行われている自然愛護活動について論じる気はないが、今回の山行で、自然と向き合い関わろうとする時の、基本的なコンセプトの共有の大切さをしみじみと実感することができた。
 ともあれ、私達は豪快に下っていった。痩せた岩尾根には「人間を支える強度はありません」と明示された鎖が張られていた。沢を挟んだ尾根にある標高200m峰の岩場で、懸垂下降をしている二人の登山者が見えた。156mからは、日本海をめがけて一気に下る。階段の段差があり、EAGの足では大変そうだ。灯台から道は複数に分かれる。展望台の先に、目が眩むような急な階段があった。手摺りを握りながら、海まで下り、塩水で長靴の汚れを落として、今回の山行を終えた。
 当初の予定では樋曽山も考えていたが、メンバーのみんなは十分に満足したとのことで、まことさん、福島に帰るSIMIKENNさんと別れ、帰宅の途に着いた。改装になったばかり関川村ゆ〜むで汗を流し、17:00自宅に到着した。
 今回の山行にあたっては、まことさん・一路さん・いっちゃんに大変にお世話になりました。心よりお礼申し上げます。ありがとうございました。

一路さんも来てくれました
キブシのカンザシ
カタクリが満開です
お腹ポッコリ (実はウエストバックが入っています)
お地蔵様がありました
角田山々頂
山頂でくつろぐ人々
私達はこちらに移動
竹爺がトン汁にお餅を入れてくれました
越後平野を眼下に
山頂に戻る途中、これらが植林だと分かりました
山頂の風景
木道の両側は人また人
何故か山頂に登山者カードが?
こういうことだったのですね
木道に積もった雪が歩きにくい
滑らないように気をつけて
ぬかるみが続きます
偽木の階段は段差が高く歩きにくい
見下ろすとカタクリ畑
陽だまりの道
あそこに
白いカタクリがありました
カタリクと
海と灯台が見えました
日本海を背にして
この付近が問題の伐採地です
始めてみる樹木です
かなりごつい冬芽です
僅かに残っている枯葉からカシワではないかと考えました
どんどん標高を下げます
降っている登山者が見えます
鞍部付近は岩場でした
鎖には「人の体重を支えられない」と注意書きがありました
登り返します
振り返る
向かいの尾根の岩場に人影が
懸垂下降をしてました
気持ちの良い風です
灯台の展望台にて
灯台から下ります
海抜 0mのダイチャンポーズ

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