会員の山行 275号
【2013年03月16日/谷川岳幽ノ沢ノコ沢大氷柱/吉田岳調査】
4時10分、ベースプラザを出発。5時10分、一ノ倉沢出合着。一ノ倉には早くも4パーティー程入山していた。テッデンを外し、我々はさらに幽ノ沢を目指す。こちらは先行者が一組あるようだった。5時55分、幽ノ沢出合着。ノコ沢大氷柱を探すと「ある、ある」。遠くに間違いなく大氷柱が立っているのが確認された。幽ノ沢に入り、さらにアプローチを詰めていく。我々は沢なりに歩いてしまったが、展望台経由でショートカットした方が早かったようだ。途中から左岸の尾根筋を歩く。目の前に大氷柱が見えるのだが、なかなか近づいてくれない。7時50分、ようやく大氷柱直下に到着。しかし、逆に近づきすぎた。安定していると思われたその場所は、意外に急で雪面が硬く、上から切片が落下してくる。ゆっくりと準備に取りかかるつもりだったのだが仕方がない。セルフビレーを取りながら、何とか登攀装備を装着した。
8時、吉田がリードで登攀開始。平均斜度75度(?)。大きなこぶがボコボコ波打っているような氷壁で、今まであまりお相手した事がない感じで、ちょっと新鮮である。谷間を塗っていけば楽なルートが取れるのだが、直登でもそうビビリが入るほどでもない。と言っても上からの雪崩は心配で、実際隣接している左のルンゼには、ブロック雪崩が頻繁に起きていた。そんな事で抜けるまでは楽しむ余裕はなかった。60m一杯の2ピッチで氷部分は終了。そのままスタカットで進み、石楠花尾根と合流し、11時、堅炭尾根に出た。やっと大休憩となった。
休んでいる間に上から2人組のクライマーが降りてきた。幽ノ沢の左方ルンゼを登ってきたとのこと。地形を良く知っているようで、先にβルンゼを下りてくれるとのことで心強かった。11時20分、ハーネスを着けたまま、下山開始。先行組の踏み跡を辿ってβルンゼを降りていく。ロープ無しでも大丈夫そうだったのだが、先行組がまめにロープを使っていたので、それを見習い懸垂下降で降りていった。幽ノ沢出合を通過し、一ノ倉沢出会いで昼飯を取り、13時50分ベースプラザに到着。だいたい予定通りの行動となった。
今日は風がやや強く、夕方から崩れる予報だったのだが、我々の登山中は晴天に恵まれた。山頂付近は風が強かったかどうかは分からないが、下界でも15時頃から雨が振り出し、遅れた登山者は苦労したようだった。昼頃中間稜登山者が滑落して、救助ヘリが出たようだ。幽ノ沢は静かでいい所なのだが、アプローチが長いのが欠点。それでも魅力ある名ルートを一度は登っておきたいものである。
もうすぐ幽ノ沢 |
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幽ノ沢の岩壁が見えてきた |
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ありました。ここです。 |
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朝日が岩壁に輝きます。 |
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デブリをグイグイと |
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もう少しガンバです |
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お待ちかね、氷壁クライミング開始 |
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高度感あります |
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いい感じっすねー |
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もうすぐ氷壁の頭だぞー |
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まだ登攀は続きます |
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いよいよ最後です |
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堅炭尾根到着 |
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ロープをしまいます |
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帰り道、広葉樹林内での雪崩跡 |
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一ノ倉沢の様子 |
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おわり