登山者情報1000号

【2006年05月13日/大日杉〜飯豊山/井上邦彦調査】

 飯豊町役場に電話で大日杉小屋まで一般車両通行可能の確認を取り、いただいた情報を確認するために山行を計画した。前日は職場の歓送迎会、絶対一次会で帰るという堅い決意も一度アルコールが入れば脆くも崩壊。翌朝は何とか身体を引きずって車に乗り込んだ。
 子持ち峠を通り九才峠、一箇所雪が落ちている所があった。タイヤは夏タイヤにしたものの、まだスコップは車に常備している。惣兵衛の釣堀には車が沢山止まっていた。路肩が崩れている箇所もあったが、特に問題ない。
 07:01大日杉に車を止め雪の上を歩き出す。夏道をプラスチックブーツで歩くのは嫌なのでスパイク長靴を着用した。ザンゲ坂最上部は雪が嫌らしく浮いていたので右側を直登して僅かに藪を分けて、07:22-22ザンゲ坂に到着した。ここからは夏道になる。ブナは緑を濃くし道脇にはイワウチワ・イワナシ・タムシバ・ムシカリが咲いていた。
 長之助清水の標識は文字が消えていた。なお水場は雪に埋もれている。ここから再び雪道になる。07:50御田がブナ萌えの上限となっている。08:11-26食事を取るが、食欲はなく近年にない最悪の状況、昨夜の不摂生の報いであり、自業自得である。この分では切合小屋往復かなと思う。
 08:51滝切合を通過、09:09地蔵岳山頂。三角点下の広場にある標柱の頭が二つ雪の上に出ていた。ここからは夏道が部分的に出てくる。まずは雪道下り、登りに備えて09:19-24食事を取る。鞍部から夏道を登る。雪庇の状況を観察しながら登降を繰り返す。09:52-58食事を取りカッパを脱ぐ。
 10:17御坪の祠周辺は露出している。稜線の雲が徐々に下がっている。10:23御沢分レには標柱の頭2本出ていた。
 御沢を眺めると大きな亀裂が楕円形に走っていた。御沢分レから下ると僅かに夏道が露出しており、沢に降り立つと沢を塞ぐように向かい側の尾根から高みが繋がっていた。亀裂が気になるので尾根筋を登ることにした。一部藪があったが特に気になるほどではなかった。
 そのまま尾根を詰めて10:48-50切合小屋に到着する。夏の入口には雪がないので入ろうとしたら開かない。冬期入口から入って確かめると、内側から紐で扉を固定していた。外にあるトイレは3穴あるが、真ん中の1穴が使用可の状態になっていた。
 小屋から雪の上を歩いて草履塚に向かう。この辺りからガスが出て視界がなくなってきた。11:24草履塚山頂脇を通過し、そのまま山頂を右から巻き、11:28ピッケルを出して急斜面を姥権現手前の鞍部まで下る。
 11:46御前坂標識からは視界がなくなり、ひたすら登る。12:02一ノ王子を通過する。道の脇には最近のものと思われる新雪が残っていた。
 12:08-11本山小屋に到着する。別棟のトイレ3穴にはいずれも「冬期使用できません」と書かれ鍵が掛かっていた。ここでカッパを着て三角点を目指す。石垣から出ると風が強くなり体を斜めにして進む。
 12:21飯豊山々頂に立つが風が強く休むどころではない、早々に戻ることにしたが、ここで無線機のアンテナがなくなっていることに気付いた。強風の中探しながら戻ったが、結局見つからなかった。12:33-13:17本山小屋に正面入口から入る。強風と空腹で疲れた。ラーメンを煮て缶ビールで喉の渇きを癒す。
 本山小屋から出ると視界は依然としてないが、風は先ほどの勢いがない。13:30御前坂標識を通過、そのまま夏道を歩き、15:55草履塚山頂を通過する。掘れた夏道が雪で埋まっていたので注意をしていたつもりだが、つい踏み抜いてしまった。
  すぐに雪原に出る。ここから下りは右の藪を目安にして下るのだが、確か途中で途切れている筈なので、きょろきょろして下ったが。傾斜が増してきたのでGPSで確認すると、やはり右の尾根に入りかけていた。左にトラバースし、自分の足跡を見つけて足跡を目印に下った。
14:12切合小屋を通過する。御沢の状態を確認するためピッケルを出しグリセードで沢に下る。亀裂は深いが、すぐに崩壊するとは思えない。念のため右岸の亀裂脇を辿り、雪が盛り上がった所から右に斜上し、14:29御沢分レを通過する。
14:34御坪を過ぎ、14:53-13:03食事を取る。ここで自宅へ電話をする。15:19、地蔵岳手前のピークを通過する。突然、雪庇の割れ目から灰色になったウサギが飛び出して藪の中に消えた。15:30熊の足跡、新しい、右へ下っている。肉球の跡がはっきりしており、つい先程のものだろう。比較のため私の手形を脇に押し、並べて写真を撮る。結構な大きさだ。
 15:38地蔵岳山頂、15:46滝切合を通過する。16:03御田まで下ると新緑になるが、真っ赤な紅葉が鮮やかだった。
 16:30大日杉小屋に到着し、五段山コースの吊橋を確認に行く。吊り橋は雪対策で踏み板を外しているものの、特に問題はなかった。16:35駐車場に到着して、今回の山行を終えた。

今回のコース
草履塚で間違いかけたルート、御沢分レと切合小屋間のルート拡大

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