登山者情報1055号

【2006年11月23日/赤芝峡周辺の町境/井上邦彦調査】

 昨年12月11日(第973号)に途中で断念した町境を、もう一度歩いてみることにした。金丸から前瀬に入り、コンビニ購入した弁当を食べ、07:17ゲートから歩き出す。
 車道は植林地を通る。前方に目指す県境尾根が見え、右手に白くなった飯豊連峰の一部が見えた。車道には伐採した杉を運ぶ車両が止まっていた。
 07:38車道終点に到着、ここから杉林の中に入っていく。イゴノ沢に出ると、大きな滝が覆いかぶさっていた。右岸を登って、07:51イゴノ沢の滝の上に降り立つ。ここから左岸に取り付き、町境尾根を登る。08:00-02服を脱ぐ。眼下の国道を走る車の音が絶え間なく聞こえる。
 象のような皮膚を持つカエデを中心とした直径20cm程度の真っ直ぐな林を登って行くと、松の根元にカモシカの寝床があった。藪は次第に嫌らしさを増してくる。08:22藪を避け、一旦右斜面に入る。その後は左斜面を登る。08:26根元から曲がりくねった本格的な藪となり、08:39-48苔に覆われた水準点(592m)に到着した。
 ここでコンパスを進行方向に合わせ、藪を漕いで行く。09:19樹間から小国町中心部や御影森山・祝瓶山が見え、眼下には大沢川の大滝が勇壮な姿を披露していた。この付近の町境は不可解な形をしており、GPSで確認してもなかなか分かりにくい。多少登りすぎた地点から真っ直ぐに下る。GPSの指示に従い、左に補正しながら下る。地形図そのものも、何処が尾根なのかはなはだ分かりにくい。09:29沢に出る。あまりに町境に忠実になろうとしすぎたようで、沢を行ったり来たりしながら、徐々に高度を下げる。
 09:45突然に開けた平坦地に飛び出た。池の跡なのか、かつて人間が生活していたのか分からない。昔、越戸集落がこの付近にあったことは知っているが、明確な住居跡を見つけることはなかった。
 ここからは、沢沿いに下ることにする。時折、滝があり右に左に軽く巻いて下る。09:59どの位高いか分からない大きな滝の上に出た。岸に上がる場所を探すと、柴のない急な小尾根が目に付いた。よく見ると何箇所か樹の根が露出している。滑ったら大変なことになるので、慎重に体重移動をし、根を掴んで右岸に上がった。
 沢の傾斜は落ち、10:04右手に杉林が出てきた。10:13萱原となり、蔓が複雑に絡み合っている。沢の中や少しでも歩きやすい所を選んで進み、10:26-30雑木林で食事を取る。
 10:34上ノ沢本流を右手に見下ろすと、これまで下ってきた沢との間が細い尾根となり明瞭な道跡があった。しかしこれもすぐに消えてしまう。上ノ沢を渡るのは難儀そうである。10:36-43休憩を取り暫し考える。結果、若干戻って沢に降り、10:54左岸を強引に登る。その後、暫く上ノ沢左岸の河岸段丘を進み、詰まった所から尾根を直登する。11:06頭上には使われていないワイヤーが垂れ下がっており、11:11さび付いたリフト柱があった。これは観世音鉱山が最盛期の頃に鉱山と金丸駅を結んでいた鉱石搬送リフトである。
 この先は東方面に広い道があるが、手入れがなされておらず、藪化が進んでいた。雑木の間から観世音鉱山と、先ほどの萱原が2箇所見えた。
 11:35道は左へ下っているが、真っ直ぐに登り、11:37-42赤松の混じる広い雑木林で食事を取る。一旦ピークに上がり、11:47尾根沿いにある踏み跡を下る。11:54杉林となり、12:02広大な造林地に出る。
 GPSで軌跡を確認しながら、12:03車道に出る。あとは車道を辿って、12:16ゲートに到着した。

今回のルート
ゲートから造林地を歩く 飯豊連峰が見えた 車道の終点
イゴノ沢を渡る 町境尾根に取り付く カモシカの寝床
潅木をかき分けて登る 潅木が曲がりくねる 529mの水準点
ムキタケ 大沢川の大滝 祝瓶山と御影森山
小国町の市街地 下り始め、林になると歩きやすい
突然平らな所が出現した
沢を下る 滝を一つ一つ越える 渓相が穏かになってきた
快適に下る 上ノ沢本流に出ると、踏み跡があった 沢に下り左岸に移る
蔓に巻かれて変形したナラ 杉も窮屈そうだ 観世音鉱山で使用していたケーブル
道跡は荒れ放題 鉱山が見えた 獣の糞
露天掘りの鉱山を遠望する 広い尾根の雑木林