登山者情報1056号

【2006年11月25日/越沢川〜723m峰〜町境〜蕨峠〜町境〜牛股沢〜戸沢川/井上邦彦調査】

 一昨日歩いた町境から先は、車道沿いに観世音鉱山に至り、そこで途絶えている。つまりここの町境(=県境)は未確定なのである。しかも境界に露天掘りの鉱山があり、ここを歩くには幾つかの問題がありそうである。ともあれ今回は空白の終点から再び続く町境を目指すことにした。しかし、ここの町境は尾根通しではなく、定規で一直線に引かれており、何があるか分からない。万一に備えヘルメットを準備した。
 舟渡地区から上平を目指し、集落の手前で左の林道に入り、橋の手前で右折すると砂防ダムで車道はなくなる。
 06:36ダムの脇に車を駐車し歩き出す。地形図には明確に歩道が記載されており、予定では難なく登れる筈であった。
 06:41右岸へ移り、06:44左岸に戻る。ここから若干標高を上げて進む。06:51先に杉が見える所で道が二つに分かれる。どちらを進むか迷ったが、直感で左の川沿い道を選ぶ。06:57萱原になり道が分からなくなる。棘のある草が嫌らしい。幾ら探しても道は見つからない。
 そのうちに道が出てくるだろうと先に進むが何もない。地図を見ると歩道の両側は岸壁になっており、焦りが出てくる。沢を詰めている途中、一旦右の尾根に登りGPSで現在地を確認する。分かりにくいが、どうも右にずれてしまったようだ。先ほどの分岐で誤ったのかという不安がのせいであろう。07:24戻ることに決め、沢を若干下って尾根を越え、07:30隣の沢に入る。
 07:45突然歩道に出る。07:47-53小沢を渡る所で食事を取る。08:00藪となり棘が痛い。再び道が分からなくなる。08:08正面に岩塔が立ちはだかる。岩裾を右に回って小沢を登る。
 08:21急な斜面を登りきると見事なブナ林になる。ブナ林の中を歩くのは楽しい。08:45植林地手前の溝を歩き、08:53主稜に出る。踏み跡を南下すると、09:02道があった。左の造林地から来て、勘倉峰の北をトラバースしている。これが地図に描かれている歩道であろう。
 09:07トラバースを終えると真っ白い飯豊連峰が見えた。朝日連峰から三体山に至る山並み、カメラを頻繁に構える。
 09:27-33食事を取りながらこれからのコースを確認する。09:34、723m峰に向けて歩き始める。尾根に分け入ると、なんと踏み跡らしきものがある。予想外の嬉しさである。どんどんと下った鞍部は、二つの尾根の合流地点。言わば尾根の真ん中に沢があり、鞍部で右に抜けているのだ。
 09:40鞍部から先も微かな踏み跡がある。鉱山の階段状掘削の様子が一望にでき、その上に飯豊連峰が浮かんでいる。山頂手前には水のない池が二つある。10:17-23に723m峰の山頂水準点で記念撮影をする。
 下山を始めてすぐに左下に向かう道に入って行った。道は古いが広くしっかりしている。このまま女川に下っているようである。10:39尾根に上がる。11:00-04鞍部の沢に流れている水で食事を取る。
 11:19-27蕨峠の道に戻ると水準点があった。ODDと無線交信をし、GPSの電池を替える。登山道は左斜面をトラバースしている。GPSで山頂を通り過ぎたことを確認し、藪を漕いで登る。
 11:45-48、841m峰の三角点で一息を付けコンパスを合わせる。地図を見れば町境は真っ直ぐに牛股沢に下っている。今日一番の難所である。最初は潅木を掴みながら順調に下る。近距離で熊とばったりは避けたいので、声を出しながら下る。途中から次々に滝が出てきて右岸、左岸を巻きながら下る。最後は左岸を下る。
 12:51ようやく女川の支流である牛股沢に降り立つ。川の中に大きな岩が立っている。左岸はよいブナが続いている。13:03左岸から枝沢が入る。牛股沢を右岸・左岸に渡渉を繰り返し、右岸のブナ林を歩く。
 13:13-19右岸より沢が合流する所で食事を取る。ログ用にザックの上につけたGPSは衛星ロストであるが、サブ用に持参したGPSは衛星を補足できた。
 さらに上流に進むと左岸から枝沢が入る。ここがポイントかと多少尾根に上がってみたが痕跡はない。地図を見ると、左岸に河岸段丘がある筈なので、本流を遡る。
 13:36左岸から大きな沢が入る。ここが東股沢と五郎三郎沢の合流点である。すぐに正面の山道が分かった。ここから尾根を登り始めるとすぐ上に幕営跡があった。恐らく釣り人のものであろう。
 痩せた急な尾根をどんどん登ると足元に巨大なクリタケが生えていた。最後は南西を巻くようにして、14:12主稜に到着した。ここも素晴らしい見晴らし場である。主稜を南下すると、14:18山道は東へ下るが、この分岐に西に進む踏み跡があった。
 まもなく杉林となり、14:26-30分岐に出た。左に水が流れていたので食事を取る。どちらに行くか迷ったが、右を選択した。沢を渡ると岩場を登って尾根を越えた。潅木林を下り、14:37と14:38に沢を渡る。右は造林地で左は沢を挟んで迫力のある崖が連なっている。
 14:42車道が見え、14:45沢を渡り、14:46車道に出た。車は3台程度駐車が可能である。この後、車道を尻無沢集落まで下って、15:12県道に出た。県道の途中から枝道に入り、15:34車に戻った。

今回のルート

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