登山者情報1069号

【2007年03月21日/倉手山/井上邦彦調査】

 天候がいまひとつはっきりしないので、倉手山に登ることにした。通常のルートでは面白くないので、登山道と牛ノ倉ノ上ノ沢を挟んだ尾根を登り、登山道コースを下ることとした。
 大淵橋のたもとに車を止め、スキーを履いて、07:16発。梅花皮荘対岸は雪崩の危険地帯であるが、さほど恐怖感はなく通過する。スキーを履いても沈む。登山口手前で右下の杉林から走り出た兎が、行く手を横切って登山道のある斜面を駆け登っていった。
 07:45-53登山口でスキーをデポし、お握りを頬張りワカンに履き替える。先日とは逆に玉川対岸の西俣尾根を偵察する。所々青空が出てきた。黙々と斜面のラッセルを続ける。雪は安定しているので、安心して直登する。
 08:10尾根に出る。傾斜が増すにつれてラッセルが深くなる。旧雪の上に積もった新雪の分だけ潜る。松が出ると風で飛ばされ雪が殆どなくなるが、それもつかの間、また膝上のラッセルが続く、柴の先が出ているので、雪崩はなさそうだ。ここで今年始めて綻びかけたマンサクを見つけた。念のため旧雪まで円柱を掘って弱層テストをしてみる。高さ約50cmの円柱はびくともせず、かなり安定している。
 08:35尾根が痩せた斜面になる。ピッケルを出すと流石に安心感が違う。08:39難場を過ぎ再びストックにする。08:45-51ブナの根本での中で食事を取る。
 09:07ブナ林となる。突然に前方を兎が走り出した。ある程度距離を置いた所で立ち止まり再び走り去った。兎が飛び出した跡を確認すると、穴ではなく、柴の根本が僅かに窪んでいるだけであった。さらに進むと、同じ兎が再び飛び出し、今度は右側を巻くように頂上方向に見えなくなった。
 ブナ林を抜けて白い斜面を膝までのラッセル。振り向くと枯松峰・大境山が聳えている。杁差岳は右斜面しか見えない。
 09:39-51雪庇下で食事を取る。雪庇の上は雪の少ない松尾根となる。さらに進むと雪庇が左右に交互に出ている。ほどなく右手に若いブナ林を見て、広い平坦な尾根となる。多数の兎の足跡が雪の上に盛り上がって模様を作っている。高度差はないが距離はある。
 10:22-29倉手山々頂に到着する。頂上部と段差があり広場があった。あいにく飯豊の稜線は見えない。記念写真を撮り、自宅に電話をして下山する旨を伝える。
 急な斜面は何処が雪庇か分からない。雪が潜るので恐怖感はない。下るにつれて痩せ尾根となり雪庇が出てくる。ここは無理をせず、樹木寄りにルートを取る。
 10:57夏道の分岐手前の峰から左手に下る。11:07-11展望を楽しみながら食事を取る。やはり枯松峰と大境山が印象的だ。暫く下ると眼下にカモシカを見つけた。撮影をしながら下る。カモシカの居た場所まで下ると、彼は尾根沿いに移動し、沢に降りたようだ。
 足元からロールケーキ状に雪塊が転がり落ちる。雪崩のようになって下まで落ちていく。11:42-45登山口に到着、スキーに履き替える。あとはのんびりと進み、12:06大淵に到着した。

今回のコース

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