登山者情報1014号

【2006年06月18日/石転ビ沢〜丸森尾根/井上邦彦調査】】

 04:00に目覚ましが鳴る。既にKRSが昨夜の片づけをしており、VCKが愛犬の世話をしていた。車から登山道具を出して山行の準備をする。
 05:11VCKと二人で天狗平ロッジを出発する。爽やかな朝の温身平を通り、05:43-47砂防ダムを通過する。ブナ林が終わる所は今冬の雪崩により樹木が折れて絡み合っている。まだ雪が残っており登山道が出ていないので、雪が消えてから支障木を除去することになる。
 06:11-20うまい水で喉を潤し、お握りを頬張る。この先、登山道脇にはユキザサ・ホウチャクソウ・サンカヨウ・オオバキスミレ・ミツバアケビ・スミレサイシン・ムシカリ・ムラサキヤシオが咲いている。地竹沢を雪渓の厚さに注意しながら通過する。地竹原を過ぎて雪の上を歩き、落合から右の夏道を登る。
 06:48梶川出合手前で雪渓に上がると、前方に登山者が一人見えた。梶川には穴が開いていた。正面に門内沢を見ながら順調に雪渓を詰める。
 07:15-19石転ビノ出合に到着する、平坦な大岩の上で風を避けて休む。休んでいると寒く感じられる。長袖シャツを着て歩き出す。雪は堅くなっており、夏が近づいた感じがした。
 07:56-08:03ホン石転ビ沢出合左岸で休憩する。ホン石転ビ沢は雪渓が繋がっているが左岸の枝沢は所々開き始めている。この先はスプーンカットや黒い塵を利用して登るが、ズボンの裾が黒く汚れてくる。最近の落石のジャンプ跡が所々に点在している。北股岳方面からホン石転ビ沢出合付近まで落ちている。
 08:30-42落石を避け北股沢出合右岸寄りで休憩。VCKはアイゼンを装着する。先ほどの単独行者が付かず離れず登ってくる。一番低い部分には落石が集まるので、やや右岸寄りを直登する。アイゼンなし、軽登山靴のHZUは雪が堅いので爪先のキックステップができず、靴のサイドを使って登る。
 09:30梅花皮小屋に到着すると、昨日から入っていた三島君と、大日岳が出迎えてくれた。三島君はさっそく缶ビールを抱えて水場に走ってくれた。
 小屋から水場に向けて進むと、一面のハクサンイチゲが咲き、小屋周囲はミヤマキンバイに包まれていた。他にはイワハタザオやミヤマガラシが盛りであり、コミヤマカタバミ・ミツバオウレン・ミヤマキンポウゲも咲いていた。
 ゆっくりと休んで11:00梅花皮小屋を出発した。道脇にはヒナウスユキソウ・イワカガミ・オヤマノエンドウ・ハクサンコザクラ・シラネアオイ・ショウジョウバカマ・バイカオウレン(=ミツバノバイカオウレン=コシジオウレン)が広がっている。石転ビ沢側の道も全て露出していた。
  11:22-27北股岳山頂に到着する。祠が壊れていた。視界がなくなると一段と足元の花々に目が行く。ツマトリソウも加わった。ギルダ原は雲中のお花畑となり、北股岳も顔を綻ばせた。
 12:13門内小屋のトイレはまだ雪囲いがされ、覗くと鍵も掛けられて使用できない状態である。ツマトリソウ・アオノツガザクラ(始)・ミネカエデも咲いている。
 12:34-47扇ノ地紙の広場に立っている標柱は雪の中である。潅木の登山道を進み、岩場にはチングルマが咲いていた。13:08地神山を通過する。ミヤマダイコンソウが咲いていた。ここのイワカガミの群生は見事であった。
 13:17-19地神北峰から下り始めるとすぐ雪になった。ピッケルを出して左手に登山道を確認しながら下る。急な斜面はグリセードで下る。VCKは滑落停止の訓練も兼ねているようだ。
 熊の足跡を見つける。まだ真新しい、さほど大きいとは言えないが、近くの笹原で竹の子を食べているのだろう。無線機から大江山岳会の阿部さんの声が聞こえた。朝日連峰山開きで鳥原山にいるとのこと。
 ガスが濃くなると登山道の方向が分からなくなるので注意が必要である。いったん登山道に出ると融雪水が流れていた。さらに雪の斜面を下って夏道に入る。足元にはマイヅルソウが咲いていた。
 13:51丸森峰を通過する。ここから下は全て夏道である。ツクバネソウ・オオイワカガミ・ウスバサイシン・シラネアオイ・サンカヨウ・ムシカリ・エンレイソウを眺めながら掘れた登山道を下る。14:09以前の崩壊地から樹林帯となる。折れた樹が登山道を塞いでいた。ムラサキヤシオ・ウワズミザクラ・ウゴツクバネウツギ・ヤマツツジが気を紛らわしてくれるが、それにしても蒸し暑い。毛細血管が拡張し頭の血液が不足してくる。
 14:32-45夫婦清水、日陰で休む。標識のある広場のみ露出し水場は大量の雪に覆われている。カタクリ・チゴユリが咲いている。あとはひたすらに下り、15:38天狗平ロッジに到着した。

今回のコース

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