登山者情報1084号

【2007年06月10-11日/八ツ小屋尾根〜飯豊山〜新長坂/笠原正雄調査】

【タイム】
<10日> 祓川P登山口6:30〜(休み10分)〜8:25上ノ越〜(休み10分)〜10:05疣岩分岐〜(道迷いと雪急降下で手間取る)〜11:30三国小屋(ランチ)12:00〜12:40七森〜13:20種蒔山(雪斜面で登下降練習をする)13:35〜14:20切合小屋〜(雪登高で通り雨)〜15:00草履塚〜15:25御秘所〜16:10一王子〜16:20本山小屋
<11日> 本山小屋5:55〜飯豊山頂〜本山小屋6:35〜7:40御秘所〜8:00草履塚8:15〜8:30切合小屋〜9:00種蒔山9:20〜10:25三国岳(ランチ)11:15〜12:20疣岩山12:30〜13:05松平峠〜13:25十森水場〜(休み10分)〜14:30祓川山荘14:35〜14:50新長坂ルート登山口(1〜2分で祓川P)
【記 録】
 出発3日前に、西会津町役場に問い合わせたところ、祓川山荘に向かう橋が流されていて、来月の山開きには間に合わせるが、まだ架けてないとの回答があった。そこで、HZUさんの掲示板で渡渉が出来そうかどうかを尋ねた。更に、西会津山の会会長さん宅に電話で問い合わせて、新ルートの情報を得た。どちらにするかは現地で判断することにして出掛けた。また、今山行に備えて妻のピッケルを買った。ただし、登山者情報等から判断してアイゼンは持参しなかった。また、山中では、小屋で3人と出合ったのみだった。
<10日> 
 3:00自宅発、徳沢駅からR459が工事中で車のすれ違いが困難なほどの山道を迂回させられた。弥平四郎のゲートは鎖が開いていた。4qの林道は問題なく進めた。祓川Pに他の車は無かった。小雨もあがり、雨具無しでスタート。案内看板もしっかりしていて、駐車場脇から始まる新ルートを行くことにした。
 道は広く、しっかりと踏まれていた。すぐに登りが始まり、汗がにじみ出て来る。重ね着を脱ぎ、長袖シャツ1枚になる。7:30〜7:40 標高点1082で休む。登り一丁から平坦路となる。ここから少し下る。向かいに疣倉山へ続く稜線が樹間から見えた。僅かな登下降を繰り返し15分後登りにかかる。
 上ノ越T字分岐を過ぎると一枚岩の斜面を通過する(分岐の手前ではありませんでしたか?HZU)。9:15〜9:25 登路で休む。小ピークを越えながら進んでいる。左に樹間から頂は雲が覆っているもののお山が大きく見えた。ガスの中に入り、喬木が水を含んで雫となって来たので、雨具上衣とザックカバーを着ける。この後、暫く雪を踏むが、GPS で巻岩山を通過したようだ。
 疣岩分岐手前で夏道となる。左折し、右旋回するように進み、途中左に入り込むしし岩の看板を見る。稜線に上がり、暑くなって、雨具上衣を脱ぐ。疣岩山の三角点通過。ここから少し左に下ると夏道を雪が覆い、ガスで進行方向が分からない。左に下って見たが、道を見つけられず。登って戻り、地形図と磁石を取り出し方向を確認する。今度は右に斜登高すると、急降下の下に夏道を見つける。ここで7〜8mの雪斜面をスベリ降りるのだが、雪が固く、予想以上にスピードが出て着地で転び、右腕を地面で擦りむいてしまった。ピッケルを抜き、ステップを切りながら登り返し、後続の妻にピッケルを渡し、慎重に下らせる。雪解け水が地面を流れている。時々雪を踏むが、少しガスも薄くなって進路は分かりやすい。
 三国小屋に入り昼食を摂る。小屋は、外も内もきれいだ。忘れ物だろうか、「シミズ」と書かれた帽子が掛けてあった。管理人室が施錠されておらず、中を覗いてみると、柔らかそうな寝床がしつらえてあった。七森までは雪と夏道と交互に歩き看板前に来る。薄日が差し暖かく暑くなる。種蒔山の下りで夏道が雪斜面の下方になった。この雪斜面を利用して登下降の練習をする。
 切合小屋は中を覗いた程度で通過する。草履塚への登りはやや長い雪登高となる。途中、雨が降り出したが、我慢して進み、雪傾斜が緩んだ所で雨具上下を着る。更に雨足が強くなって、撤退も頭をよぎったが、幸い風はないので夏道に上がるまで進むことにした。喬木の夏道に上がると、雲のヘリに明るみが出て来て、草履塚に着く頃には雨も弱くなった。草履塚手前から小屋までは登路に雪は無くなる。御秘所まで来れば、雨は全く上がった。しかし、ガスで遠くは見えない。
 一王子の広場で水場方向に行ってみたが、すぐに雪が覆っていた。最後一登りから初めにガスの中にボンヤリとトイレ棟が見えて本山小屋到着。1階に神奈川からの男1女2の同年代隊が先着していた(川入から山中2泊で天狗平に下ると言う)。2階に上がり、計5人で小屋利用。予想以上に寒く、風雨の音もあって幾度か眠りが覚めた。
<11日>
 夜中になって外に出ると、三日月、星、新発田と米沢の明かりが見えた。4時前に外に出る。夜明けの大日岳を飽くことなく眺めたのち、一度小屋に入って朝食と出発準備をする。山頂まで行く。調子が良ければ御西までとも思っていたが届かなかった。小屋へ戻る途中、同宿の3人が歩きだして来た。小屋に戻り、すぐ下山開始。
 良く晴れ渡って快適な歩行、花の写真を撮りながら進む。草履塚からの下りで念のためピッケル歩行にした。種蒔山でピッケルを使い、鍋に雪を集め加熱して水をつくる。固く締まった雪は、体積にすれば7割程度の水となる。三国小屋前でランチを摂るが、降ろしたザックに虫が集って来る。虫よけに帽子とシャツに薄荷油をつける。
 昨日てこずった疣岩山の手前の雪斜面を今度はしっかりピッケルを使って登る。疣岩分岐で左折して、新長坂ルートの急降下へ入る。この道が、礫砂混じりで結構滑りやすい。猪鼻の水場は2本合わせのトラロープで草薮を沢に下っている。降り登りにはかなりの腕力が必要と思う。
 松平峠から尾根を離れて、山腹の道となるが、右に傾斜する道が続き、崩れかけている所があったり、根が露出する所もあり歩き難い。祓川山荘が近くなれば、前述のようなこともなく、右と左の沢音を交互に聞きながら下って行く。山荘を過ぎて暫くすれば、ヒョッコリと祓川に降りる。道なりが橋だろうと思うが、流されていて無い。そこを石伝いに渡ろうと流れに入ったが、石が滑りやすい。戻って、10数m上流の水深が平均した所を渡る。脛ほどの深さであったが、素早く渡れば、ズボンの裾が流れをさえぎり、靴に水が入ることは無かった。少し登って林道に上がる。全体とすれば、新ルートのほうが歩きやすい。
 弥平四郎に戻り、新稲荷峠を越えて「いいでの湯」に向かったが、月曜定休であった。高郷ふれあいランドまで進み、ゆっくりと汗を流し、そばを食べて、帰路に着く。

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