登山者情報1,269号

【2009年08月02日/石転ビ沢〜梶川尾根/井上邦彦調査】

 今回も足の松尾根と同様にEAGと日帰り山行を計画した。石転ビ沢の状況が変化しているとの情報があったので、コースは石転ビ沢〜梶川尾根とした。
 06:10天狗平から歩き始める。温身平十字路を過ぎた時点からメジロアブがまとわりついて来た。今年初のお目見えである。こちらは半ズボンに半袖、当然ながら噛みつかれ放題である。
 06:43砂防ダムを通過する。赤トンボが高山から降りて来ていた。登山道に入るとメジロアブはいなくなるのだが、数匹のメジロアブがそのままついてきてしまった。
 07:17-24うまい水で休憩を取る。ここでようやくメジロアブから解放された。ヌスビトハギ・リョウブ・ソバナ・オトギリソウ・シシウド・オオウバユリ・ヨツバヒヨドリ・エゾアジサイ(盛)・オクトリカブトといった花々を楽しみながら進むと次第に蒸し暑くなってきた。
 08:10-20課題の梶川出合で先を眺めると、崖の下流部は干上がっているが、合流点直下が淵になっている。ともあれ確かめるために左岸の河床を進む。やはり淵は相当に深そうである。手前で渡渉点を探すが、EAGでは無理と判断し、いったん荷物を渡してEAGを背負って川を漕ぐ。その先も2個所、合計で9回ほど素足になって川を漕いだら、足が痛くなった。
 その後は、ジャコウソウ・ヤマハハコ・カラマツソウを見ながら赤滝をへつる。08:54石転ビノ出合に到着する。日当たりが良いので、草が伸びて足元が見えない。特にオオイタドリが旺盛で、ある。草を分けて門内沢に向かう。
 09:01-10門内沢を飛び石伝いに足を濡らさないで渡り休憩とする。そのまま石転ビ沢の左岸に回り込み、若干河原を進んで渡渉点を探し、同様に渡渉する。河原から夏道に上がる。
 09:23雪渓を歩き始める。それまでとうって変わって寒い。スプーンカットを辿って、10:15-30ホン石転ビ沢出合対岸で休憩を取る。ここでピッケルを出し、アイゼンを装着する。
 先行したEAGが声を上げたので、行ってみると雪渓に縦の亀裂が入っており、幅が広い所もあった。亀裂の手前まで下ってもらって登り返す。
 11:11-26北股沢出合清水で休憩を取りアイゼンをザックに入れる。黄旗に従い黒滝手前で左岸の踏み跡に移る。大きく巻く様にして黒滝の上に出る。
 左岸の踏み跡は両手を使う岩場であり、沢までの高度感も多少出てくる。まもなく小沢に着くが、本来の登山道は小沢を数m登り左の尾根に取りつく。
 しかし今回は、小沢から左に横断して沢を詰め、残雪の上で中ノ島(草付キ)の最下部に出た。ここは一面ミヤマキンポウゲが埋め尽くしていた。シナノキンバイ・ハクサンボウフウ・ヨツバシオガマ・イワオウギ・ハクサンコザクラ・モミジカラマツ(盛)が咲き乱れる中、花を踏まないように登山道を忠実に辿る。
 11:45右から来た登山道と合流する。下山の場合、よほど地形が分からないとルートを失うことがあるので、本来の登山道を歩くのが無難である。
 11:52水場にはオタカラコウ・ズダヤクシュが咲いていた。浮き石だらけの登山道をシロバナニガナ・ミヤマシシウド・オトコヨモギ・ハハコグサ・ミヤマアキノキリンソウ・トリアシショウマ・エゾイブキトラノオに囲まれて登る。
 中ノ島最上部のトラバースも全て露出しているが、小沢の上方に残雪があるので、万一の落石を避けて素早く通り過ぎるのが良い。
 12:17草付きの台地、上部に残雪があるものの登山道は露出しており、付近にはイワイチョウが咲き、風が気持ち良い。
 ハクサンコザクラ・ハクサンオオバコ・ミヤマキンポウゲ・コバイケイソウ・シナノキンバイ・モミジカラマツ・オタカラコウ・イワアカバナと花が次第に多くなり、12:25梅花皮小屋に到着した。
 小屋でラーメンを食べ、13:22出発。チシマギキョウ・イイデリンドウ(盛)・タカネナデシコ・イワオウギ・オヤマノエンドウ(終)・ミヤマアキノキリンソウ・タカネマツムシソウ・コゴメグサ(盛)・クルマユリ・ヒメシャジン・ハハコグサ・トモエシオガマ・ミヤマクルマバナ・トリアシショウマ・オトコヨモギ・ハクサンボウフウ・ミヤマキンポウゲ・モミジカラマツ・コバイケイソウを楽しみながら、13:50北股岳山頂を通過する。
 下りはハクサンシャクナゲ・ミヤマクルマバナ・マルバシモツケ・ミヤマコウゾリナ・シラネニンジン・ミヤマアキノキリンソウ・キオン・ハクサンシャジン・エゾイブキトラノオ・ニッコウキスゲ・クルマユリ・ハクサンフウロ・ミヤマコウゾリナ・イイデリンドウ(盛)・エゾイブキトラノオ・ヤマハハコ・ミヤマアキノキリンソウ・シラネニンジン・コゴメグサ・ヨツバシオガマ・ミヤマホツツジ(終)・マルバシモツケ・シラネニンジン・オトギリソウ・クルマユリ・ニッコウキスゲ・タカネマツムシソウ・ミヤマホツツジ・エゾイブキトラノオが咲いていた。
 ギルダ原には、コゴメグサ・ヨツバシオガマ・シロバナニガナ・シラネニンジン・ミヤマアキノキリンソウ(盛)・トモエシオガマ・ハクサンフウロ・クルマユリ・ヒナウスユキソウ・タカネサギソウ・タカネアオヤギソウが咲き、14:29門内岳山頂を通過する。
 今日の門内小屋管理人は新発田山岳会のナンバさんだった。タカネマツムシソウ・ミヤマコウゾリナ・ミヤマアキノキリンソウ・イワテトウキ(盛)・ハクサンシャジン・クルマユリ・シラネニンジンを見て、14:45胎内山通過、14:54扇ノ地紙に到着した。
 ここからは草原にチングルマ・キンコウカ・コゴメグサ・キンコウカがそれぞれ大きな群落を作っていた。
 15:15ケルンにはタカネマツムシソウ・ハクサンフウロが咲いていた。15:26-33梶川峰で休憩し、15:47三本カンバを通過する。ミヤマクルマバナ・シロバナニガナが咲いているが、視界がなくなる。
 16:00五郎清水で携帯電話の試験電波を出してみたら快適に送信できた。16:24-29滝見場はこれまで通信できなかった所であるが、ここもスムーズに送信できた。ノリウツギ・ホツツジ・ツルアリドウシが道脇に咲いていた。
 16:47鞍部はさすがに圏外、DTGから湯沢峰で通話できたと聞いていたが圏外、17:17昔の湯沢峰も入らない。以下、結局は通じる所がなかった。鞍部付近からEAGが胃の不調を訴え始めたので、途中で休憩をとりながら、17:38楢の木曲りを通過し、オオコメツツジを見ながら、18:10天狗平に到着した。

エゾアジサイ=豪雪地帯特有の種、乾燥する無雪地では生育が難しい
オクトリカブト=飯豊連峰にはオクトリカブト(葉の切れ込みが大雑把、ブナ帯に生息)・ハクサントリカブト(葉の切れ込みが深く細かい、高山帯に生育)の他にイイデトリカブトが発見されているが、イイデトリカブトは素人の私には無理だろう。

温身平十字路、青空と稜線が見えた ここからメジロアブの襲撃が始まった
登山道に入るとアブは姿を消した
リョウブ
登山道脇はエゾアジサイで覆われていた
白いエゾアジサイ
ヤマブドウ まだ青い
トチの実
梶川出合
問題は梶川合流点に先日の雨で淵ができたこと
淵の手前の石を飛んで行ければ問題はないのだが・・・
今回は素足になって3回ほど渡渉を行った
合計9回水に浸かったことになる 冷たさに足が痛くなった
巻き道の使用をお勧めします!
梶川
梶川出合上流部 かつては川原で休憩していた
左から梶川が2本入っている 正面の淵が課題である
淵の拡大画像
高巻いた場合は正面の踏み跡 河床を来た場合は大岩の脇を通る
オクトリカブトが沢山咲いていた
オオイタドリは身長を越し、大きなものは4mにも達する
ソバナ
シジミチョウ
アブラガヤ
ジャコウソウ
オトギリソウ
トカゲ
タマガワホトトギス
石転ビノ出合が見えました
道がない!
草の生育が早く、道刈りが追い付きません
石転ビ沢全貌
踏み跡を辿って門内沢に向かいます
手前が門内沢です
正面が石転ビ沢です
門内沢には奥に雪渓が残っていました
ここは飛び石伝いに渡りました
門内沢を過ぎて石転ビ沢に向かいます
ミヤマガラシ(=ヤマガラシ)
石転ビ沢も飛び石伝いに渡った
渡渉点はその都度変わるので、各自で判断してください
いよいよ石転ビ沢です
左奥が門内沢、手前が石転ビ沢です
河床から登山道に上がりました
オオサクラソウ
上空には鷲鷹類の鳥が旋回してました 雰囲気からしてトビでしょうか
雪渓に入ると左岸寄りが崩壊していました
これから雪渓歩きです

続く⇒