登山者情報1,330号

【2010年03月20日/荒沢山/井上邦彦調査】

 3連休は、西俣尾根を登り梅花皮小屋泊、翌日石転ビ沢を降って倉手山経由で下山する計画であったが、あまりの予報の悪さに計画を取り止め、日帰り山行に切り替えた。
 荒沢山はまだ登ったことがなく、2008年12月の長松山山行から暖めていた山である。課題は長松山と荒沢山を結ぶ痩せた尾根の通過である。ここは小国町熊狩り発祥の地である金目集落のエリアである。うまく行けば鉈目ぐらいはあるかも知れない。念のためアイスアックス・クランポン・20mロープと万一に備えたビーコンを持参することとした。
 金目集落から車を進めると、ユンボが雪を崩して車道に撒いていた。まるで雪崩の跡そっくりである。車の底が痛むので、一つ目の橋を越えて、何とか方向転換できる場所を見つけ、06:35路脇に駐車した車から歩き出した。
 スキーを肩に担いだがデブリの車道が思いのほか長い。杉林が途切れると、荒沢山見えた。06:46マミノ平手前の橋を渡った所で、ようやくスキーを履くことができた。後は林道を快適に進むが、07:05雪がない所がありスキーを脱いで橋を渡る。次の橋は問題ないが、その先に右岸に渡る林道があり、左岸の林道は急斜面に雪崩がでており、いかにも怖そうである。もし前回の経験がなければ右岸に移っていたかもしれない。左岸の林道は近づいてみれば、さほどでもなく通過できた。07:20砂防ダムを通過する。
 小沢の雪橋を二つ渡り杉林に入って、07:23-29登りに取り掛かる地点(小沢のほとり)にスキーをデポし、ワカンで尾根に取り付いた。雪は硬く、どんどんと高度を上げていくが、高坂カンジキの欠点である爪の小ささが気になった。
 07:50-08:04主尾根に出たところに赤布を2箇所結んで帰路に備える。その後、左斜面は杉林であるが、右斜面は雑木。高度を上げるにつれて周辺はブナ林となる。
 09:04今年始めてマンサクを見る。眼下には百石山、遠くには大境山と枯松山が霞んでいる。09:09-19山頂手前のピークで食事とする。横川ダムも見えてきた。
 09:26長松山々頂に立つが、雪庇が怖いので下降点を探して、もう少し先に進み、山頂から若干下がった所でワカンを脱ぎ、ストックをザックに付けて、アックスを出す。
 09:51藪が出てきたので、ストックをデポする。895m峰が近くなると痩せ峰に盛り上がった雪塊が乗っかっており、嫌らしい。丁寧に弱点を探して通過する。
 尾根の西側をトラバースするが、硬いのでキックステップで通過する。新雪があると危ないかも知れない。
 10:21鞍部から僅かに登った所で食事とする。10:27雪崩の音が谷間から響き、風が少し強くなってきた。雪庇と樹木の間のルート取りに神経を尖らす。
 977m峰でようやく山頂が見えてきた。正面に急な壁が立ち塞がっている。風が次第に強くなる。10:41-42クランポンを装着する。正面の壁は反射板から来る尾根との合流点にある。真正面は垂直に近いが、反射板からの尾根との間にあるスラブの最上部にテラスがある。ゆっくりと左に進み壁を越える。足元は絶壁だと思うと気持ちの良いものではない。
 反射板の尾根に出る。荒沢山には二つピークがあるが、地図では北峰に三角点がある。11:13-19山頂に到着するが、雪庇が怖いので林の先端で周囲の写真を撮る。天候が悪くならないうちに降ることとする。
 僅かに露出している踏み跡?を降り、12:02-13平坦なブナ林で食事を取りクランポンを脱ぐ。12:19ストック回収し、12:43長松山々頂通過する。12:57-13:09ワカンを履いて一気に下り、13:26赤旗を回収し、右の尾根に降る。
 13:31このままだと沢に降りることに気付き、右の尾根に移り、13:33正常なルートに戻る。
 13:37-40スキーに履き替え、13:43砂防ダムを通過する。14:15-18橋でスキーをザックに付け、14:29車に到着した。

今回のコース
まるでデブリ(雪崩跡)のような林道
マミノ平の管理棟
前方に荒沢山が見えた
林道を進む
このまま左岸を進むのだが・・・
砂防ダム(林道終点)に到着
主尾根のブナ林
孫守山が見えた
こちらが荒沢山
尾根を詰めて行く
孫守山は荒沢山の延長にある
小国町方面、飯豊連峰は残念ながら見えない
百石山
大境山と枯松山
快適に登る
今年始めてマンサクを見つけた
ほのぼのとした気分に浸る
小国町中心部 右下は横根スキー場
手前の突起が反射板
長松山々頂
荒沢山に続く尾根
荒沢山へは右の尾根を巻いて進む
左奥が山頂
895m峰
嫌らしい雪塊
振り返る
淡々としたブナ林が続く
振り返る
長松山
977m峰でクランポンを履く
ルート取りに神経を使う
風が出てきた
先ほど登ってきた尾根を見下ろす
ぎりぎりを歩くが亀裂が隠れている
1,030m峰
反射板

続く⇒