登山者情報1,343号

【2010年05月23日/大日杉〜飯豊山/井上邦彦調査】

 今年始めて大日杉から登ってみることにした。ひとりで子持ち峠と九才峠を越えると、自宅から1時間かからずに大日杉小屋に着く。
 出発しようと大日沢に架かる橋を渡り始めた時に、後ろから声を掛けられた。振り返ると南陽山の会の方であった。今日は二人で地蔵岳往復とのことである。
 06:00再スタートする。広場から杉林に入るとエンゴサクが咲いていた。歩き始めてまもなく、暑いので上着を脱ぐ。僅かに雪を踏んで鎖場を登り切る。
 06:19ザンゲ坂からは尾根歩きになる。オオイワカガミ・ムラサキヤシオ・タムシバ・ムシカリ・イワウチワ・イワナシ(終)が咲く中、高度を上げて行く。
 06:37長之助清水、標識が付けられている樹は枯れている。分岐から水の音がするので、覗くと水が豊富に流れているのが見えた。
 06:47御田杉で若干雪の上を歩く。池は雪に埋もれている。蒸し暑く汗が滝のように流れる。
 07:00-07:09左に少し巻いた上で一回目の食事。ここからは所々残雪が出てくる。マンサク・カタクリ・ショウジョウバカマ、イワウチワが群生している。
 07:37滝切合を通過する。風が出てきて汗が冷たく感じられる。07:44-49ロングスパッツを着け、上着を着る。
 08:03地蔵岳山頂を通過する。三角点のある場所は露出しているが、分岐は標柱の頭が出ている程度だ。
 展望を楽しみながらいったん下って登り返す。マンサクが咲き、足の置き場がない程にカタクリが咲いている。登りは殆ど夏道が露出し、風は当らない。
 08:26ピークを通過。オオバキスミレが咲いていた。できるだけ夏道を歩くが、登りでない所は雪の上が楽である。08:39-45二回目の食事を取る。
 09:21御坪を通過する。09:29-33御沢の登りに備え、三回目の食事とする。09:37御沢分岐から雪渓に入り、源頭はキックステップで登り詰めた。
 10:08切合小屋に到着する。正面入口戸の蝶番が壊れており、ブロックで固定されていた。またトイレは4穴のうち1穴が冬期用となっている。
 小屋前から雪の上を歩いて、10:36-52草履塚山頂脇の雪上で四回目の食事を取る。そのまま雪を伝って北峰との鞍部から夏道に出た。
 大日岳や飯豊山の展望を楽しむが、磐梯山にかかった雲が吾妻連峰にまで覆い被さり始めた。携帯電話で確認した雨が北上しているのかも知れない。
 姥権現の脇を通り、御秘所に差し掛かると、コメバツガザクラが花を付けていた!ハクサンイチゲは産毛に包まれた新芽が生えた程度である。
 11:25御前坂の標柱を通過し登りに取り掛かると、大日岳方面からガスが襲来してきた。これはガスとの競争になりそうである。
 急坂を登り切って、11:44一王子に着くが、ガスのため本山小屋が見えない。風も強くなり始めてきた。
 11:50本山小屋に到着したが、先を急いだ。ガスは濃くなり、風もますます強くなり、よろけそうである。三角点に向かう途中、瞬間的に北股岳方面が見えた。
 12:00-04飯豊山々頂(三角点・五ノ王子)に到着し、風を避けて息を整えるが、ガスは切れない。この調子で風が強くなれば帰りが心配である。早々に引き返すこととした。
 12:14本山小屋の中を確認し休憩なしで先を急ぐ。本山小屋のトイレは3穴中1穴が冬期用である。
 12:19一王子を通過するが、この手前にもコメバツガザクラが咲いていた。12:32御前坂の標柱まで下ると、風が収まり視界が効くようになったが、上部は雲の中である。ヒメイチゲが2輪ほど咲いていた。
 12:50-58登り返しの途中で五回目の食事を取る。13:11草履塚まで夏道を辿り、ここから雪上へ移ったが、視界がなく足跡も分からないので、右の藪を目当てに降った。
 13:24切合小屋を通過し、ストックのまま急斜面を靴滑りで下るが、雪が軟らかくなって思うように滑らない。
 13:40御沢分れ、13:45御坪を通過する。空が暗くなり、何時もと逆方向の風に翻弄され、氷粒のようなものが飛んできて頬に当る。
 14:00目洗い清水で登山道の融雪水を空になった水筒に汲み、14:03-11六回目の食事を取る。
 14:30ピークを通過し、14:36最低鞍部を通過する。風はさらに強さを増してきた。このままでは危険と判断し、14:43地蔵清水でストックをアイスアックス(ピッケル)に替える。
 アイスアックスで安全を確保しながら、14:50地蔵岳山頂脇を通過する。15:16登りで休んだ所を通過する。携帯のアンテナは3本。
 15:23御田杉は圏外。15:27長之助清水でアンテナ0本であった。15:33-39七回目の食事、これでお握りは完食である。
 15:44ザンゲ坂を通過し、15:56大日杉駐車場に到着した。携帯(フォーマ)は高造路集落から可能になった。

大日杉小屋
橋を渡り、右折して広場から杉林に入る
ザンゲ坂の残雪
騙シ地蔵を見上げる
長之助清水
三国岳方面
剣ヶ峰
タムシバ
鍋越山方面
薄っすらと朝日連峰が見えた
滝切合手前で飯豊山が現れた
久しぶりの対面だ
滝切合から地蔵岳を仰ぐ
滝切合(騙し地蔵)を振り返る
地蔵岳山頂
これから辿る尾根
三国小屋遠望
剣ヶ峰
飯豊山を眺めながら先に進む
大又沢の様子
ダイグラ尾根核心部
1,508mピークから地蔵岳を振り返る
栂峰と吾妻連峰
ここから一度下ってまた登る
枯松山・大境山・倉手山
五段山コース
振り返る
磐梯山
どこまでも飯豊山がついてくる
種蒔山
御坪
御坪の先の展望台
御沢
御沢分れ
御沢の雪渓を登る
振り返る
切合小屋直下にて

続く⇒