登山者情報1,400号

【2010年10月23-24日/丸森尾根〜おういんの尾根/井上邦彦調査】

 今回の目的は、丸森尾根上部で施工した支障木によるダムと、今年も道刈りがなされなかったというおういんの尾根の状況確認である。
 天狗平まで竹爺のかあちゃんに送っていただき、04:36ヘッドライトを点けて丸森尾根に取り付いた。出発の時点では満天の星空だったが、登るにつれて雲が出てきた。05:17、765m峰を通過してまもなく、ライトを消す。
 05:54-09夫婦清水で水筒に水を満たす。素晴らしい紅葉、特に文覚沢対岸の光景は素晴らしいが、いかんせん光量が足りず写真にならない。
 06:44-52崩壊地の下で休憩。崩壊地の上からは前回の施工地が続く。さすがに大人数による作業で、延々とダムが続く。排水路を設けていることもあるだろうが、土砂の堆積は殆ど見られず、替わりに落ち葉がびっしりと詰まっていた。来春の訪問が楽しみである。
 07:30-41丸森峰上の裸地で休憩とした。ここには先日施工した石と土嚢のダムが沢山あり、こちらは既に土砂で覆われていた。やはり灌木帯と偽高山帯では全く異なると痛感させられた。
 08:11-14北峰で稜線に出る。頭上には青空が広がっているが、水平線のように黒い雲が広がっている。08:22-33地神山で休憩、08:58扇ノ地紙を通過し、09:17門内小屋。トイレは雪囲いの板が落とされ、閉鎖されていた。
 10:05-32北股岳山頂で小林さんとお会いする。暫し情報交換をして、私達は湯の平に向けて下山を開始した。最初から登山道は笹藪に覆われているが、この辺は笹の丈が低いのでどうということはない。左下に洗濯平を見ながら登山道を降る。登山道には植物が侵入し、油断すると道を見失いそうになる。
 10:52かつて洗濯平との分岐点であった二俣には「北股岳・梅花皮小屋」の標識が置かれてあった。これから標高が下がるにつれて笹の丈が高くなり、登山道自体からも笹が出ている。足元が見えないので足先で探りながら進むが、高低差のある所ではバランスを崩す。さらに朝露が残っているため、全身が濡れてきた。幸いに今回は好天に恵まれて視界があるが、ガスに覆われた場合はかなり不安になって来るかも知れない。概ねは登山道のラインは笹が低く見えるが、殆ど分からない箇所もあった。振り向くと後続の竹爺の姿が見えず、声を掛けるとすぐ数m後ろにいた。
 ともあれ、道はかなり荒れており、登山道には植物が繁茂し、道探しで右往左往する方も想定され、初心者の下山は避けた方が良いだろうし、登りにおいてもかなり体力を消耗すると思われた。11:26、1,510m灌木になり笹藪が終了する。
 11:37中峰にザックを置いて水平に東の尾根を越えて水場に向かう。道はさほど荒れておらず、水量・温度ともに満足。11:44ザックに戻る。雨量観測所はアンテナが外されており使用していない様子。先日の五頭山の避難小屋とそっくりの感じだが、鍵が掛けられているようだ。水場分岐には若干のスペースがあり幕営できそうであるが、奥のスペースから登山道もどきのルートがあったので注意したい。11:55中峰発、登山道は窪地を下り、そのまま尾根に出る。そのまま窪地を下る踏み跡もあるが、これは残雪がある時の水道である。
 12:05-15寅清水に下る。標識も何もなく、よほど注意しても気づかない人が多いだろう。来年度版からは削除した方が良いと思った。登山道から覗くと、右下に幕営跡地が見える。踏み跡も微かになっており分りにくい。足場に木を付けて沢に下ると、水量はたらたら程度で、コップ1杯汲むのに苦労する程度であった。
 この先は、行けども行けども標高が落ちない。うんざりしていると尾根が広くなり、背より深く浸食された道を進むことになる。さらに884m峰は北から巻くが、足元が悪い。トラロープがセットされていたが、掴む気にはなれない。
 13:43ようやく鳥居峰に到着する。標識はない。あとは下るだけである。13:53-09左の尾根に移る曲りで休憩する。後は鎖場、鉄梯子、飯豊連峰随一の急な登山道を下って、14:31湯の平山荘の水場に到着した
 山荘の2階はほぼ満員。管理人の吉田さんの指示で1階に陣取る。露天風呂を満喫し、外で炊事の準備をしていると、小国町のKさんが顔を見せた。ここまで湯治に来たとのことである。
 翌日は07:00に出発。07:24北股沢の吊り橋を渡って、07:28北股平。07:34岩越え平、07:37涸れているオガコエ沢、07:44山の神を通過して、07:58-10加治川ダム(掛留沢)駐車場で休憩。後は林道をひたすら歩くが、結構な人とすれ違う。駐車場の標識には「山荘3.4km、加治川治水ダム8.2km」と記載されていた。
 08:37松ノ木穴沢の標識には「温泉5.6km(登山道2.2km)、治水ダム6.0km」とあった。途中で10分程休憩を取る。09:38鱒取倉沢「温泉9.6km、掛留沢6.2km、治水ダム2.0km」。やがてEAGの無線が届き、10:00加治川治水ダムのゲートでEAGの出迎えを受けた。

ワンピッチで夫婦清水に到着
紅葉に包まれて登る
杁差岳遠望
光が足りないな〜
ミヤマナラ
梶川尾根
ふんすいの沢
紅葉に夢中
綺麗です
心まで温かくなります
ここからは先日の保全作業地です
支障木を使った作業結果です
 もちろん土嚢も使いました
 笹も使っています
 まだ土砂は溜っていません
 土砂の替わりに落ち葉で埋まっていました
 排水路です
支障木ダムが連続します 
 こんな感じです
 これも排水路
 落ち葉に埋もれたダム
 来春が楽しみです
 左がダムです
 どこにダムがあるか分りますか
 木の曲りを使って
落ち葉だらけ 
 さまになっています
 排水路
 ここからは画像のみでお楽しみください
丸森峰で支障木ダムは終了です

続く ⇒