登山者情報1,957号
【2016年05月16日/西俣尾根〜石転ビ沢/井上邦彦調査】
大淵(国民宿舎飯豊梅花皮荘手前)から天狗平までの車道は依然として歩行も含めた通行禁止であるが、山の状況を確認するために西俣尾根を登った。頼母木山で時刻を確認しこの調子ならさらに先に進めると判断し、門内小屋を経由して梅花皮小屋で幾つかの作業を行い、石転ビ沢を下り天狗平ロッジの状況を調査して車に戻った。
04:58梅花皮荘駐車場発、05:11西俣尾根に取付き、ヤマツツジが咲く尾根を登る。今回はSPO2を用いて脈拍を測定しながら登ったが、始めは121/分。05:19岩場の下でシャツを脱ぐ、ウゴツクバネウツギ・オオイワカガミが咲いている。ザックに付けたピッケルが枝に引っかかり邪魔になる。
05:31大曲り(530m)を通過、アズマシャクナゲ・ガクウラジロヨウラク(始)・ユキグニミツバツツジ・サラサドウダンが咲いている。05:50十文字ノ池が露出していた、わずかに雪を踏む。イワウチワ・ショウジョウバカマ・タムシバ・ユキツバキ・ムラサキヤシオが加わる。06:00-06、795m、1回目の食事。
06:30、1023m西俣ノ峰山頂、三角点が露出している。木が生い茂り杁差岳はなかなか姿を見せてくれない。マルバマンサク・カタクリ・イワウチワ・オオカメノキ・ムラサキヤシオが咲いている。
07:00-11大雪原で2回目の食事。雪の上に前日登った岳ちゃん達のトレースが続いている。ブヨがまとわりつきハッカ油スプレーが活躍する。07:21枯松山々頂を通過する。タムシバ・ムシカリ・ムラサキヤシオが咲き、ギフチョウが飛んでいた。07:26鞍部1,138mを通過、イワウチワ・タケシマラン・カタクリ・ショウジョウバカマが咲いている。07:39オオドミ1,180mを通過する。ここから残雪と夏道(踏み跡)を交互に歩くがルートが分かりにくい、前日のトレースがあるので助かる。
08:06三匹穴1,470mを通過する。ミネザクラ・エチゴキジムシロが咲いている。次第に踏み跡が藪化してくる。08:16-26、3回目の食事、ここから雪の上を歩き、ポイント(1,598m)から笹原の踏み跡を登る。08:51頼母木平を通過し、右の雪面を旧道沿いに横切って稜線に出る。
09:00-12頼母木山々頂で本日4回目の食事。歩き始めから約4時間で到着、体調も天候も良いので梅花皮小屋まで足を伸ばすこととし、山岳会の主メンバーなどにメールを送信する。稜線にはコメバツガザクラ・ヒメイチゲ・ミヤマキンバイが咲き始めていたが、ハクサンイチゲはまだ蕾。
09:31北峰通過、脈は130/分。09:42地神山、10:02扇ノ地紙を通過する。ショウジョウバカマが咲いていた稜線は全て夏道を歩いた。10:06胎内山を通過し、門内小屋手前の鞍部で融雪水を取る。
10:19-30門内小屋を通過する。それにしても今年は雪庇が小さい。11:09-15北股岳山頂で5回目の食事。ピッケルを出して下降を始めるが、途中からアイゼンを履き慎重に降る。
11:32-12:33梅花皮小屋で、破損箇所の有無などをチェックし、トイレにペーパーを補充し、来月の空輸に備えて在庫物品を数えて、6回目の食事。
12:56ホン石転ビ沢を通過する。左岸の水場は使用可能だと思う。13:11石転ビノ出合通過、想像以上に雪が少なく大岩がいくつも露出している。赤滝付近はかなり薄くなっているので右岸の高台を巻いて左岸に移る。以前に雪渓崩壊事故のあった大岩付近は相当に危なく、ここから夏道にあがる(ポイント)。キクザキイチリンソウ・サンカヨウが咲いている。
13:37-45梶川出合で右岸にあがり状態を観察するが相当に悪い。梶川は全て露出し、本流は円状に大きな亀裂が入り、下流も薄くなって渡れる状況ではない。左岸に上がるが、夕水だろうかいつもの渡渉点が渡れない。僅かに下流に下り横切り柴を掴んで巻道に上がる。ここで7回目の食事とする。巻道を降る時、足元の斜面が崩壊している所があったので下りきってから確認すると、新しい崩壊が発生していた。また下流から見ただけだと本流の左岸沿いに言ってしまいそうで危ないと感じた。
スミレサイシン・エチゴキジムシイロ・ムシカリが咲く道を進み、近大慰霊碑(ポイント)を通過、さらにニリンソウ・タムシバ・ムシカリ・ムラサキヤシオが加わる。
14:18-35うまい水で8回目の食事。嫌な臭いがしたと思ったら登山道に肋骨があらわになった獣の死体があった。蹄が残っていたのでカモシカの子供であろう。14:58砂防ダムを通過する。車道をブナの倒木が塞いでいた。15:13温身平十文字を通過し、15:34天狗平ロッジの破損箇所有無を確認する。
16:08倉手山登山口には歩行者を含んで通行禁止の標識が立てかけてあった。道路では車道を清掃する方が作業をしていた。16:22梅花皮荘駐車場に戻った。なお翌朝から大淵のゲートは開放され、倉手山登山口に新たなゲートが設けられたようである。
今回のコース |
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川入荘にて |
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民宿奥川入にて |
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ここから登山道に入る |
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尾根に取り付くとヤマツツジが迎えてくれた |
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サラサドウダン |
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十文字ノ池が露出していた |
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ムラサキヤシオ |
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西俣ノ峰から枯松山 |
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西俣ノ峰 三角点が露出している |
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マルバマンサク |
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樹間から稜線を仰ぐ |
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大雪原 |
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大雪原にて振り返る |
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杁差岳 |
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枯松峰 |
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枯松峰山頂から頼母木山 |
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三匹穴遠望 |
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タムシバ |
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オオドミ |
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三匹穴を目指す |
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落し物? |
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三匹穴 |
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ミネザクラ |
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大境山 |
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杁差小屋遠望 |
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三匹穴を見下ろす |
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丸森峰 |
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笹原の中の踏跡 |
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藪をかき分けて踏み跡を進む |
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頼母木小屋が見えた |
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杁差岳 |
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頼母木平 |
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頼母木平から頼母木山を仰ぐ |
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千代吉沢源頭から杁差岳 |
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頼母木山々頂 |
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地神山に向かう |
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飯豊山 |
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ミヤマキンバイ |
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ハクサンイチゲ |
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二王子岳 |
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頼母木山を振り返る |
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地神山 |
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コメバツガザクラ |
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地神北峰 |
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ヒメイチゲ |
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地神山 |
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二王子岳 |
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扇ノ地紙 |
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二王子岳 |
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扇ノ地紙 |
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胎内山 |
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北股岳〜飯豊山 |
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小屋が見えた |
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門内小屋 |
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手前の鞍部で融雪水が汲めた |
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