登山者情報2,051号

【2021年06月20日/御西小屋外部トイレし尿汲み取り/草刈広一調査】
 御西岳避難小屋(通称:御西小屋)の内部トイレはさまざまな問題があり使用できません。このため旧小屋の外部トイレを使用しています。外部トイレはコンクリート製の貯留式です。これまではやむを得ず周辺に穴を掘りし尿を投棄してきました。
 山岳地ではトイレの絶対数が不足しています。このため切合小屋に宿泊し飯豊山々頂を目指す登山者の一定の方は、本山小屋で用をたします。同じように本山小屋に宿泊し大日岳を目指す方は、御西小屋のトイレを利用することが分かっています。
 御西小屋では宿泊者の利用に加え通過者のトイレ利用がカウントされます。また他の小屋に比べて女性の使用が多く、水分の割合が多いようです。御西小屋の設置者である新潟県はし尿の空輸を試みましたが、ヘリコプターの費用が全国的に暴騰して断念しています。
 そこで今回は貯留槽の水分を汲み取り、小屋の管理資材を空輸するヘリの帰り便で搬出を試みました。なおヘリポートに空輸したし尿は、愛する会が管理する天狗平ロッジに搬送して水と一緒に浄化槽に流して処理しました。
カッパを着こんで作業の準備 
 
もみ殻を焼く「燻炭器」です
 
 こちらは手回しのポンプ
 
 あらかじめ人力で荷揚げしておいたポリタンク
 
便槽に燻炭器を逆さまに入れます 
 
 水分だけをポンプで汲み取りします
 
 
 汲み取ったし尿をポリタンクに詰めます
 
 連携作業で順調に進みます
 
 
 ヘリコプターの機内に持ち込むので
絶対に漏れないように密閉しました
 

空輸の状況は第2252号をご覧ください