登山者情報746号

【2003年08月30日/石転ビ沢〜丸森尾根/井上邦彦調査】

今回の山行は久しぶりに息子と二人連れである。天狗平上の駐車場に車を留めると、IIVが登山者を指導していた。ECBが先に登って行ったことを確認して05:58歩き出す。温身平で下ってくる散策の方々とすれ違う。砂防ダムから山道に入る。登山者の足跡は1人分、ECB以外はいないようだ。ECBと無線が繋がる。さほど離れては以内とのことである。OTJとも無線が繋がる。06:49-56うまい水で小休止、冷たい水で顔を洗い、ヨーグルトを食べる。梶川出合を飛び石伝いに渡る。今年は上から岩や木が落ちて昨年と様変わりしている。赤滝に差し掛かると前を行くECBが見えた。
07:46石転ビノ出合に着く。大石に赤ペンキで矢印が描かれている、これに従えば水量の多い梅花皮沢を渡ることになる。石転ビ沢は雪渓の状況によりルートが常に変わる。ペンキは使うべきではない。朝露に濡れながら道刈りのされていない踏み跡を進み、門内沢に入ると、ECBが岩の上に立って待っていた。この先のルート選択を頼むとのことである。石転ビ沢と門内沢合流点から下流(梅花皮沢)は水量が多く、良い渡渉ポイントはない。合流点すぐ上の門内沢を渡るのが良いのだが、雪渓が覆いかぶさり何時落ちてくるか分からないので危険である。門内沢の雪渓は左岸(こちら側)が傾き始めている。「私が良いと言ってから雪渓に上がること。万が一、雪渓が動いたら右手(岸壁)にジャンプして、少しでも雪渓の下敷きから逃れるように」と伝えて雪渓に登り、左岸沿いに進んで崩壊部の上流を巻いて右岸沿いに移る。下流に向かう途中にも小沢で雪渓が薄くなっている所があり、北股岳から真っ直ぐに伸びている幸七尾根末端に取り付いて一息つく。
続いて石転ビ沢を渡るのだが、足が濡れないようにジャンプできる場所を探して上下する。その後は石転ビ沢右岸の登山道(草で濡れる)を雪渓末端まで進み、08:05-15食事を取っていると、ガスが晴れて石転ビ沢の全貌が姿を現した。
雪渓を進むと、右岸から枝沢が入ってくるが、この枝沢により雪渓は数本の筋状に解けている。対岸部も薄くなっている筈である。ここは慎重に雪渓の厚さを推測しながら進んで枝沢に入る。川原を進んで垂直にそそり立つ雪渓に右岸から巻いて上がる。雪渓は氷化が始まっている、スプーンカットを利用して登ると、雪崩が運んだ枯れ草に覆われた雪渓となる。草は滑らないので歩きやすい。08:49-57ホン石転ビ沢対岸の枝沢を過ぎた所、左岸沿いで休憩とし、アイゼンをつける。ECBは遅れると悪いからと、休まずに一人黙々と登っていく。雪渓に春の雪崩跡が盛り上がっている。北股沢は雪渓が崩壊中である。
09:27-37北股沢出合の清水で休憩、アイゼンを外し、食事を摂る。雪渓の状況を見ながら夏道に上がる。黄旗に導かれて黒滝を左岸から巻く。今回は花を見たいので、夏道を外れそのまま沢を登り昔の踏み跡を辿って草付キ(中ノ島)に取り付いた。ミヤマガラシ・ヨツバシオガマ・ハクサンボウフウ・ミヤマキンポウゲ・アラシグサ・イワイチョウ・シナノキンバイ・イワオウギ・ウメバチソウ・ミヤマアキノキリンソウ・イワオトギリ・ハクサンフウロ・ヒトツバヨモギが咲いている。10:00水場を通過し、草付キ(中ノ島)の頭から左の小沢を渡り直上すると草付キノ台地に着き、梅花皮小屋が見える。
10:23-11:18梅花皮小屋着。OTJが冷たい缶ビールで出迎えてくれた。雪を何処から取ってきたのか尋ねたところ、昨日まで草付キノ台地に雪が残っていたとのことであった。1〜2日に栄一さんが登ってくる。それが終わればOTJも長い管理人生活も終る。
稜線は、全体として花の季節は終わりかけ。ウメバチソウが盛り。タカネマツムシソウ・オタカラコウ・ハクサントリカブト・コゴメグサ・イワインチン・ハクサンフウロ・ヤマトウバナ・ヤマハハコ・ミヤマキンポウゲ・ミヤマアキノキリンソウが咲いている。
11:39北股岳山頂で展望を楽しむ。月山と鳥海山が朝日連峰の上に浮かび、日本海には佐渡島と粟島が浮いている。ギルダ原はハクサントリカブトとウメバチソウが盛りである。12:34扇ノ地紙、12:58-13:06地神山。イイデリンドウがまだ残っている。13:15-20地神北峰で下山の準備。下り始めると、ミヤマコウゾリナ・ニッコウキスゲ・チングルマ・シロニガナ・ミヤマアキノキリンソウ・ミヤマセンキュウ・イワショウブ・キンコウカが咲いている。13:39丸森峰通過。崩壊地はかなり植生が回復してきたが、下山時に迷い易い所もあるので注意が必要である。ママコナ・ミヤマアキノキリンソウ・ホツツジが咲いている。14:13-24夫婦清水で休憩、水は充分出ていた。14:50、700m峰通過、ナラの木に真っ赤な花のようなものが沢山ついていた。15:19登山口着、上の駐車場に戻って帰宅する。

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