登山者情報756号

【2003年10月04日/権内尾根〜大熊尾根/井上邦彦調査】

寝ている間に目覚まし時計を30分ほど遅らされていた。しかし今回は何時まで帰ってこなければならないということもないので、予定通り自宅を出る。今回は水平歩きが長いので厚底ズックとし、積雪に備えてロングスパッツも持参した。下着は冬用の長袖とし、上着も冬用のカッターシャツとした。
06:22大石ダムトイレ脇(このトイレは自動点灯式)の駐車場に車を止めて歩き出す。06:41東俣植物園通過。07:00彫刻公園、ゲートが設置されて車が2台、登山者カードを記入し歩き始めると砂利道になる。車道の真ん中に幅40cm程のコンクリートが埋まっている。光ファイバーを設置しているらしい。07:15東俣大橋を渡り左岸へ移る。07:26水位観測施設があり、◇「鉱山跡」標識が付けられている。07:43本流に赤い橋が架かっているがそのまま林道を進む。
07:54林道の終点である東俣一号橋に到着する。鉄製橋で本流を渡り、河岸段丘に登って07:57-08:17始めての食事、ブナの木に川入「小椋利雄」の名前、飯豊鉱泉の先々代である。ブナ林の中ひと登りして松の尾根を進む。08:25以前に「三吉ノ峰」標識があった所だが見当たらなく、正面の踏み跡に迷い込まないように紐が張られていた。ここから右の切堀道をブナ林の中へ下る。湿地状になっているので足が濡れないように石の上を選んで進む。08:35鉄製の東俣俣第二橋を渡る。ブナの斜面を登り、右斜上し尾根に上がる。あとは忠実に尾根を詰めていく。08:58雨量計の土台が置かれている。09:09展望が開け、権内ノ峰が見えた。背後には大境山、枯松山が連なっている。09:12小ピークのすぐ先、09:13水場分岐である。小さな標識があり、ブナに「水」と刻まれている。ここから左の沢に下る水場道は荒れている。鈴の音がして、登山者に追いつく。
09:20「カモス頭」標識の先で、09:21-27食事。この辺りから木々は色づいてくる。09:43ロープのある急な露岩を登り、09:48「権内ノ峰」標識となる。以前の砂礫地を通らないので雨量観測施設への踏み跡に迷う心配はなく、10:13-21「千本峰」標識となる。食事を摂りODDと無線交信。ダイグラ尾根を登っているODDによれば、「すれ違う下山者によると稜線は風強く積雪10cm、連れがいるので宝珠山から下山する」とのことであった。こちらは無風である。振り返ると権内ノ峰の標識が白く光っていた。10:26-30休憩。立派な滝が見えるので撮影しようとしてポジションを定めかねている間にシャッターチャンスを逃してしまう。
11:04「前杁差岳」標柱の脇に標識が倒れている。ここまで長く感じるが、景観が一変し高山帯の紅葉が見事である。雨?が降り始めた。二王子岳方面から雨が近づいている。草紅葉に見とれているうちにアラレが降ってきた。11:22長者平、登山者2名とすれ違う。アラレは次第に激しさを増し、痛い。11:29杁差岳山頂を越えて、11:30-12:12杁差小屋に逃げ込む。足ノ松尾根から登ってきた登山者2名の方は宿泊とのこと。私がラーメンを煮ている間に水を汲んできた方は、大変だった様子。アルコールを車に忘れてきたのでノンアルコールでラーメンを食べる。
膝バンドと靴紐を締め、カッパを上着代わりに着て、軍手を着けて出発する。アラレは止んだが視界は殆どない。登山道にアラレが積もっている。12:19「新六ノ池」標柱を通過する。12:26小ピークからガスが切れ始める。小ピークに12:40◇「カリヤス平」標識。この辺りまで紅葉の盛り、すぐ下の鞍部は草地となっている。12:44穏やかなピーク、振り返ると紅葉に染まる峰が聳えている。12:49ブナ高木となる、ジグザグ道は歩きやすい。
13:04-07一杯清水、標識はない。登山道を下ると右手の平坦な小沢と合流し、登山道はそのまま小沢の側を通っている、脇に幕営のスペース、水量はまずまず。
13:09ここから急下降、13:18松のピークを過ぎて高度はぐんぐんと落ちていく。13:33登山道は右折してブナ林に入って行き、13:38大熊沢の橋となる。丸太2本にワイヤー1本の簡素な橋である。巨大ブナとツバキの林は原始的である。時折トチが混じっている。13:48-14:01大熊小屋で食事とする。水場の先に極めてシンプルなトイレがある。
14:03丸太二本にV字のワイヤーでできた橋で西俣沢を渡ってヘツルと、ダイモンジソウが咲いていた。この先、オヤマリンドウ、オニシオガマを何度も見かけた。
14:33ゼカイ沢を過ぎ、急斜面に作られた登山道をヘツル。底厚のズックは、岩が濡れていると良く滑る、木や根も滑る。河岸段丘になると待望のブナ林である。14:51タキプ沢を渡ると、雨が降ってきたのでカッパを上着代わりに着る。十貫平は飯豊連峰で一番素敵なブナ林である。15:05スノ沢を渡り、カッパを脱ぐ。15:20ワキノクラ沢を通過する。15:28藤兵衛沢を通過する。15:36ウジ沢でまた雨が降ってきた。15:37杉林を抜ける。15:46-49食事を終え、右に下る踏み跡を分けて露岩を登ると、対岸に岸壁に刻まれた登山道が伸びている。16:00イヅグチ沢を通過、高度感のある登山道を進む。16:17上ミズカケ沢通過、16:20◇「水掛沢」標識、16:23アバランチシュートに強引に作った登山道を過ぎると、杉の植林地となる。16:29本流の壁にダムの痕跡が認められるようになり、川底は砂利となっていく。16:43黒手沢に架かる鉄橋を渡るが、手前で左に上る明瞭な踏み跡があるので留意すること。大石ダムが見え、16:52滝倉橋に着く、橋の袂に登山者カード箱が設置してある。ここから舗装路となる。トンネルの右手にあるスイッチを押すと10分間点灯する。17:11ダムに到着、振り返るとトンネルの中に大蛇の頭が釣り下がっている。17:15、空が赤くなっているが、何とか明るいうちに着くことができた。

歩数:スタート0歩、彫刻公園3,976歩、東俣大橋5,670歩、鉱山跡7,079歩、赤い橋8,941歩、東俣一号橋10,177歩、カモス頭15,225歩、千本峰18,963歩、前杁差岳21,898歩、大石ダム51,679歩。

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