登山者情報804号

【2004年05月01-02日/梶川尾根〜石転ビ沢/井上邦彦調査】

道の駅にあるコンビニに立ち寄ったら偶然にもAXLと会った。駐車場でAXLと分れ、06:00天狗平を出発し梶川尾根に取り付く。道脇にはアヅマシャクナゲ・タムシバ・イワウチワが咲いていた。順調に高度を稼ぎ、704m06:31楢ノ木曲リ(仮称)を通過し、06:40傾斜が緩くなり左手に雪が出てきた。800m06:43より雪の上を歩くと、先行者1名の足跡があった。815mより夏道となり、船窪のみ雪の上を歩く。見下ろす温身平は濃い新緑に染まっているが、この辺りはまだ芽吹きは始まっていない。915m06:58から急な雪斜面となり、キックステップで右に巻き気味に登って07:03湯沢峰の肩に出る。ここで先行する登山者を見る。07:14-24湯沢峰で食事を取りながら登山者と四方山話し。湯沢峰山頂部の広場は露出しており、傾いた標識を直す。
雪斜面を下ると、右の水場に行く踏み跡が露出しているので間違いやすい、注意が必要だ。鞍部から雪の上を斜上して尾根に出る。1,050mよりイワウチワの咲く夏道となる。1,115mより雪道となり、1,140m07:52滝見場は雪の上。瞬間的にガスが切れて石転ビ沢と梶川峰が見えた。そのままキックステップで登り、1,270m08:12-24ブナの脇に僅か夏道が出ているすぐ上で食事とする。ここでアイゼンを履き、ピッケルを出す。結構傾斜があるし、一面に雪がついているので、この付近は滑落注意である。歩きながらAXLと交信する。枯れ木に古いブリキ板が打ち付けられている、すぐ上に潅木が露出していた。1,540m09:06三本カンバ(仮称)、ここだけ夏道が露出している。ここも良い展望台だ。トットバ沢源頭は下降の時、左のダケカンバに行きやすいので注意が必要だ。三角点の脇に僅か夏道が出ている。09:34-49梶川峰の標柱でアイゼンを外し食事、広場は露出している。AXLはホン石転ビ沢と北股沢の間でガスの中とのことであるが、こちらは雲海の上で視界良好、ODDとも交信する。風が出てきたので軍手とカッパ(上)を着用、珍しくサングラスを使用する。
夏道には新雪があり歩きにくいので雪の上を選んで進む。10:36扇ノ地紙の広場は深い雪に埋もれており、主稜の標柱だけが露出している。ここからは巨大な雪庇の上を歩く。10:46胎内山々頂の石柱通過、雪の上にも新雪があり抜かるので登山者のトレースを辿る。適当な所で夏道に出て下ると、鞍部には融雪水が流れていた。そのまま夏道を登り、11:02-17門内小屋に到着する。周囲には全く雪がない、小屋の中で食事を摂り、ODDと交信。
門内岳は左の雪斜面を登り、ギルダ原の夏道に下る。笹薮中の登山道は新雪に埋もれており歩きにくい。新雪を避けて左の雪の上を歩いていると、蒜場尾根から登ってきたという単独者にすれ違う。彼も稜線の新雪をこぼしていた。夏道と左の雪の上を交互に登って、12:20-26北股岳山頂で展望を楽しむ。
雪斜面を下り始めるとAXLから無線が入る。12:38梅花皮小屋でAXLと合流。さっそく本棟玄関の雪を片付ける。2階冬季出入口は問題なかった。水場にはまだ水が出ていないので登山道の融雪水を利用した。
2日04:40AXLに見送られて梅花皮小屋を出発する。雲海から昇る日の出を見ながら下る。04:58-5:00北股岳出合でカッパを脱ぐ。北股岳山頂から北股沢出合まで雪崩跡があった。石転ビ沢には全般にデブリがないのでスキー滑降は快適であろう。雲海の中に降りて行くと、雲が微かに桃色に染まり、不思議な光景に包まれる。15:12-15ホン石転ビ沢出合でアイゼンを外す。05:33石転ビノ出合にはテントが2張。既に大岩の頭が露出していたのは驚きであった。
赤滝を過ぎると昨年の事故現場の大岩が露出していた。さらに下流の梶川出合上流の水場付近は異常に雪が少なく、トラバースの夏道が露出し、幾つかの大岩が出ていた。雪渓の崩壊は早い時期となるので十分な注意が必要である。梶川を見上げると雪渓に穴が開いていた。梶川出合下流は大きく抉れている、ルートを選びながら下ると、滝沢出合付近の雪渓も不安定な感じがした。ここで幕営し出発の準備をしているグループがいた。
地竹原台地の末端で雪渓から上がる部分に黄旗を立てる。ここにはロープが露出している。今後は雪渓が危なくなり梶川出合まで夏道となっていくだろう。06:00-06休憩。地竹沢から夏道に入る。婆マクレの不安定な大石は滑落跡を残して落下していた。彦右衛門ノ平の雪原で、雪に埋もれた小沢は渡ろうとすると水の音がした。かなり薄くなっている。06:29うまい水が露出していた、ここから夏道となる。下ツブテ石の雪崩跡を下り夏道に出る。雪上の新緑を楽しみながらブナ林を進むと、石転ビ沢を目指す幾人もの登山者達とすれ違う。夏道にはオオバキスミレ・イワウチワ・カタクリ・スミレサイシンが咲いていた。ここで山田恒さんとすれ違う。06:49-56砂防ダムでAXLの知人と会い、無線でAXLに報告する。温身平からは除雪された砂利道、カメラを構えた散策者と挨拶を交わしながら、07:21天狗平駐車場に戻った。

彦右衛門ノ平から天狗平までGPSが断続している

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