登山者情報875号

【2004年11月28日/祝瓶山/井上邦彦調査】

民宿麓で目が覚めると、OTJとAQLがお茶を飲んでいた。私は冷蔵庫からビールを持ってきて、二日酔いの迎え酒。朝食が出てきたので、三島君とNIYを起こす。腹がふくれた所で昼食を貰い、3人で出発。
針生平奥の駐車場に車を止め、07:35出発。2枚の足場板が敷かれている大石橋を渡る。大石沢の足場板は撤去されているので、石伝いに飛んで渡る。今日の目標はこの大石沢を一周してくることだ。スズイデ沢手前で左にロープが張られている。スズイデ沢に架かる橋部分の侵食が進んで危険となったため、右の窪地を通る。スズイデ沢を飛び石伝いに渡るとブナ林の中に、標柱が立っている。以前は下の段にあった標柱であるが、ルートの変更に伴い登山者が迷わないように移動したものである。(818号参照)
07:52大朝日岳方面と分れ、尾根に取り付く。葉の落ちたブナの森に佇む角楢小屋を眼下に進む。08:07水場分岐の標識を過ぎ、08:16標高710mで眼前に一ノ戸に続く尾根が広がる。08:25-33標高817m峰で一息を入れる。ブナグラノタルミ(鞍部)から本格的な登りが始まる。三島君がやや遅れ気味だが、全員快調。森林限界を抜け、09:17-20一ノ戸で風を避けて食事を摂る。この辺りから登山道に雪が出てくる。兎の足跡が続いている。私はスパイク地下足袋なので問題ないが、2人は部分的にキックステップで登る。
1,350m峰(二ノ戸)を北側から巻き、09:36主稜線分岐の標柱を通過する。潅木には霧氷が張り付いて白くなっている。雪に埋もれたガンコウランを見て最後の登りをクリアし、09:44-47祝瓶山々頂。草地が所々出ているが足が冷たくなってきた。記念写真を撮り、早々に下山を開始する。大朝日岳は雲に覆われていたが、大玉山や御影森山は確認できる。
主稜線分岐の標柱に戻り、いよいよ藪漕ぎを開始する。山頂効果で森林限界を下げられた潅木帯の藪は何時もながら、絡み合ったパズルを解くようなものである。2人は軽登山靴ということもあってかペースが遅い。潅木の中は雪が積もっているので木の上で待つが風が冷たい。地形図のとおり南側はすっぱりと切れている。ルートを失わないように、忠実に尾根上を下る。
新しいGPSはまだ使い方に熟知していない上に、限られた範囲のみの表示なので、地図と高度計とコンパスの組み合わせの方が使いやすかった。何とか足駄山方面や白太郎山方面の分岐を確認できたが、何度か尾根を修正し下る。
ブナ林になると楽になるが、痩せ尾根になるとまた藪になる。獣道は這い蹲るように進む。途中の笹部で食事を摂る。何故かビーチサンダルが1個松の下に落ちていた。この尾根を冬季に登ったパーティがいると聞いたが、彼らのものかもしれない。
OTJと無線を交信する。OTJは私達のかなり下部にいるらしい。ルートのアドバイスを受けながら下る。途中から微かな踏み跡が出てきた。さらに立派なブナ林を通過したところで、踏み跡を見つけ、大石沢に下る。あとはそのまま沢沿いに下り、14:54登山道に出る。
大石橋の踏み板が1枚になっていた。冬仕度をしてくれたものだろう。14:57駐車場に到着。OTJ宅とXXN宅に立ち寄り、帰宅した。

今回のコース

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