登山者情報948号

【2005年08月27日/大日杉〜五段山〜飯豊山〜地蔵岳〜大日杉/井上邦彦調査】

メンバー=JF7HZU・JO7MNH
先週は前日夕方にドタキャン。今週を外すと小屋の管理人が下山し始めるので、その前に各施設を確認する必要があった。
大日杉小屋に到着すると、既に発電機が動いており、駐車場でも登山者が準備をしていた。橋の手前にある登山者カード記載所には鍵のついた箱が置かれ、記載したカードを投入する仕組みになっていた。個人情報保護法を意識したものであろう。これまでは誰が既に登っているかカードで簡単に確認できたのであるが、遭難発生時など緊急時以外は分からないことになった。何か無機的で寂しいものを感じた。
薄明るくなり始めた05:10大日杉を出発する。橋を渡り右手に大日杉小屋を見て直進すると、左に標識がある。ここから河床に下り、板1枚の吊橋を渡る。右岸の河岸段丘に上がり杉林を抜け、泥濘のある旧車道を進む。水場を過ぎると程なく標識に従って左に登り、再び杉林の中を斜上して尾根に出る。途中、杉が倒れていたがピッケルを持っていないのでスムーズに潜れた。ガスで視界はあまりない。
ホツツジの咲く中を進むと、突然カモシカが現れた。カモシカにしては珍しくキャンキャンと鳴声をたてながら姿を消した。06:16-27コブ山先の展望地で一息入れる。無線で呼び掛けると本山小屋のEHJ、梅花皮小屋のOTJの他にVCKの声が聞こえた。私達より遅れて大日杉を出発、現在はザンゲ坂とのことである。お互い上で会うことを楽しみに登ることとした。ガスが切れ始め、五段山が見えた。頭上の雲にも青が混じってきた。
06:55-57五段山分岐で県境主稜に出る。ここからは緩やかな登降が続く。07:02鞍部右手に水場へ下る刈り払い道を分ける。無線でVCKから「足の調子が悪い」と相談がきた。荷物を軽くして無理のないように登ってみること、無理と判断したら下山して大日杉小屋に泊まり明日様子をみて再度登ることや、本山小屋でなく切合小屋に計画を変更することを選択肢に入れること、どちらにしても下山できる余力を残しておくことをアドバイスした。
07:35◇牛ヶ岩山を通過する。湿原が散在する。07:57◇御前山に◇五段山の標識が並べて置かれていた。誰かが移動したものだろうが、標識の設置方法を考える必要があると感じた。
08:12地蔵山々頂を通過し、血の池と書かれた標柱のある広場に下りる。ここで川入へ下る道を左に分け、剣ヶ峰を仰ぎながら掘れた道を下ると、08:16左から来る新道を合わせる。ノリウツギ・リョウブ(盛)・エゾオヤマリンドウ・エゾシオガマ・ミヤマアキノキリンソウが咲いている。
08:30-58岩場入口の赤い岩で食事を取っていると、山都町ガイド協会の小林さんが追いついてきたので、暫し歓談。護摩壇下の水場分岐の岩には赤いテープで「水」と描かれていた。
09:25-47三国小屋で管理人の高橋さんと会う。彼も山都町ガイド協会のメンバーであり、私とは初対面である。嫌がる高橋さんを追いかけ無理やり写真を撮る。
ここからは小起伏をひとつひとつ越え、10:17「七森」標柱を過ぎる。ていく。ミヤマホツツジ・ミヤマアキノキリンソウ・イワショウブ・ミヤマセンキュウ・コゴメグサ・ハクサントリカブト・ミヤマクルマバナが咲いている。10:37「種蒔」標柱を過ぎると道は平坦になる。右下に昔の登山道の踏み跡が見える。
10:47大日杉方面の分岐を通過する。タカネマツムシソウは終わりかけている。10:53-57切合小屋に到着する。長谷川さんと佐藤さんに挨拶する。二人は31日に下山し9月10日過ぎにまた登るとのことである。
草履塚の登りにかかるとハクサンコザクラ・ハクサンボウフウ・モミジカラマツ・ヨツバシオガマ・ミヤマキンポウゲ・ミヤマコウゾリナ・イワイチョウが咲いている。11:21-21水場で休憩する。
11:28草履塚を通過する。ヒメシャジン・コゴメグサ(盛)・ハクサントリカブト(盛)・ミヤマアキノキリンソウ・ウメバチソウ(盛)・タカネマツムシソウ(終)が咲いている。何時もの2段の御前坂を登り詰め、12:30本山小屋に到着する。MNHのみザックを置き三角点に向かう。時折ガスが切れる。
12:43-51飯豊山々頂で、MNHに無線の基本的な使用方法を指導する。無事にVCKを呼び出し、サブチャンネルで会話をすることができた。VCKも何とか登っている様子である。
13:03-14:30本山小屋に戻り、EHJ・小林さんと四方山話に花を咲かせる。予定より休みすぎて出発する。
一ノ王子からVCK一行(KDGとは基督教独立学園の略称)が御秘所を通過している様子が確認できた。御前坂を下りきった所で彼らと合流する。VCKとMNHは久しぶりの再開を喜んでいた。
15:31草履塚を通過し、15:52-16:12切合小屋でお茶をご馳走になりながら情報を交換する。種蒔山手前で左折し地蔵岳に向かう。16:23-25水場で水を補給する。16:43御沢分レ、16:51御坪を通過する。陽が傾き飯豊山は逆光になる。
17:14目洗イ清水を通過する。ミヤマママコナ・ミヤマアキノキリンソウ・エゾシオガマ・ミヤマセンキュウ・ウメバチソウ・リョウブが咲いている。17:52-02地蔵岳山頂でHZUは自宅に遅くなる旨を携帯電話で連絡する。まだセンジュガンピが咲いていた。
次第に暗くなり、途中でMNHがヘッドランプを点灯した。18:47御田を過ぎた地点で登山道が濡れた粘土状になったので、HZUもヘッドランプを点灯する。18:52長之助清水を通過し、19:05◇ザンゲ坂から鎖場を降りる。19:23大日杉に到着、小屋には灯りがついていた。小屋に顔を出そうかとも思ったが、知人がいると長くなるので立ち寄らず、駐車場で解散とし、帰宅した。

今回のコース

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