登山者情報953号

【2005年10月01日/蛇引尾根〜祝瓶山/井上邦彦調査】

今回は朝日山地森林生態系保護地域に、保存地区と保全利用地区の境界に標識を立てるため入山した。置賜森林管理署から受け取った標識は鉄の杭に取り付けるものであり、この杭は積雪に負けないよう頑丈にできている。手にとって見るとずしりと重い。
天気予報では午後から天気が崩れるとのことなので、利用地区の境界である針生平手前と、駐車場には帰りに設置することにした。
4本の鉄杭をザックに取り付け、04:43針生平の駐車場から歩き出す。なかなかの重さである。大石橋を渡り、05:05祝瓶山分岐を過ぎる。白布橋に降りる急斜面では杭が地面に触れるのでバランスが難しい。橋を渡り終えて梯子を降りるところでも、杭の頭と尻が引っ掛かりジタバタしたが、05:10何とか白布橋渡り終える。05:14-20白布平のブナ林で休憩を取る。角楢橋は橋に上がるまでが一苦労、05:46角楢小屋を通過する。
小沢でGPSを出し現在地を確認すると、もう少し前方である。河岸段丘の末端で水量のある小沢が保存地区の境界である。06:16-07:04再度GPSで確認し、標識を立てる。鉄杭を力任せに地面に刺し込み、持参した木槌で叩き込むのだが、鉄杭の先端が[の形なので、木槌に食い込む。枯れ枝を探し、鉄杭の上に乗せて力いっぱい叩き続ける。適当な所で枯れ枝を鉄杭の周囲に叩き込んで強化をし、最後に標識をボルトで固定して完成である。保存地区と利用地区の杭を2本打ち込むと、うんざりした。できるなら杭の頭と側面上部を鉄で覆い、木槌でも打ち込むことができ、さらに1本の杭で2枚の標識がつけることができるように設計して欲しかった。
ともあれ、これで鉄杭は半分になり荷物が軽くなった。キバナナキギリとアキノキリンソウが咲く中を進む。
07:15大玉沢橋を渡り終えて、登りに取り掛かる。07:30縄の張られた松岩を過ぎ、07:42以前疲れて眠りこんだ広場を過ぎる。
07:53小ピークから見上げると、峰は僅かながらも色づき始めていた。さらに登り暫く平坦な尾根を進むと、08:15登山道の左が崩れている。昔の水場に行く分岐点である。道に被さっている潅木に杭が掛かり歩きにくい。
08:19「蛇引清水」の分岐である。頭上のブナの枝が折れており、強風時は注意が必要だ。08:21-34食事を取る。08:37旧道分岐を過ぎ、08:53森林限界に出ると、一気に色づく、大朝日岳山頂だけ雲を被っている。
09:20北大玉山分岐を過ぎると下りになる。ザックの下に突き出た鉄杭が登山道に引っ掛かるので、上に付け直す。09:44-51鞍部で登りに供えて食事を取る。10:09大玉山山頂は登山道の脇に刈り払われた小さな広場があり三角点が確認できた。
記憶では水場周辺であるが、小ピーク手前で書類を広げると、水場にではなく境界に立てることになっていた。10:25戻ってGPSと地形図で場所を確認し、かつ雪圧を受けない場所に立てることとした。此処では枯れ枝がないので、木槌が壊れるのを承知で鉄杭を2本打ち込み、11:00作業を終えた。途端に雨が降ってきたのでカッパ上だけを着て下山を始めた。
11:23水場分岐には標柱が立っており、水場に下る道も刈り払いされていた。11:29-53桑住平から登ってくる登山道と合流したところ(赤鼻)で、雨が強くなってきたのでカッパを着込み、ストーブに点火しラーメンを煮る。缶ビールの栓を開いたところ、凍った泡が出てきた。寒かったので凍らせ持参した缶ビールがまだ融けていないのだ。ラーメンを煮ているコッフェルに缶ビールを入れて融かしながら飲む。
11:59鞍部を通過する。この先はブナ林から潅木林、そして低潅木、簡単な岩場と順序良く変化していく。途中で3人パーティとスライドする。お互いに「こんな日に登ってくる人もいるのか」と苦笑い。
12:47ニノトの分岐、赤鼻から結構時間が掛かる。12:56-58祝瓶山々頂に到着するが天候が悪いのでそうそうに下山する。ミネカエデを始めとして潅木が色づき始めている。13:05ニノト分岐、13:19イチノト分岐を通過する。
13:48-53食事を取り、14:01に817m峰、145:19鈴出の水を通過し、14:47駐車場に到着する。
雨の中、駐車場と針生平入口橋の袂に標識を設置して帰宅する。

今回のコース
標識設置箇所 上から、標識設置箇所・水場・赤鼻

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