【2006年02月25-26日/日山協レスキュー講習会/井上邦彦調査】
日本山岳協会遭難対策委員会主催の冬山レスキュー講習会が、小国町梅花皮荘において開催された。参加者希望者が定員をオーバーしたため、急遽講師も増員していただいた。
参加者は基礎コースと応用コースに分かれて実施、HZUは応用コースを受講した。スタッフ兼受講者のため、詳細な内容については紹介できないが、主な内容は次のとおりである。
〔雪上での支点〕
1) スノーピケットの種類と打ち方=支点を埋めるためのプラトーの作製、プラトーに対しての打ち込み角度、プラトーの強度と深さ。
2) 土嚢・柴の支点=頭くらいの大きさになるよう土嚢に雪を詰める。細い柴を束ねての支点はスリングで全体をハーフノット(鰯)にて束ねる。
3) 流動分散=3点からの流動分散を行う。直接ロープを使いインラインフィギュアノットによる分散とスリングによる固定(殺し方)。
4) 立ち木、柴からの支点の取り方
〔捜索行動〕
1) 2次遭難の回避=先ずは落ち着く。メンバーの確認、リーダーの設定、逃げ道の確保。
2) 初動パトロール=遺留品の確認、地形からの判断、埋没位置の想定。
3) アバランチトランシーバーでの捜索=捜索範囲の絞込み。なるべく習熟している者が最後の絞込みを行う。
4) アバランチプローブ(2点ゾンデ)=プローブによる捜索。掘り出し、応急処置の準備。
5) 遭難者の掘り出し=頭の特定と早期保温、搬送可否の判断。
〔遭難者の搬送〕
1) 梱包=ツェルトやシートを使っての梱包。雪面からの断熱、顔面の保護。
2) ロアーダウンとライズィング=引き上げのルート設定。直引きと1/3システム、ロアーダウンでの支点、立ち木の利用、障害物の回避方法。
〔座学〕
1) 雪崩のメカニズム=ビデオ利用
2) 低体温症と梱包